俳優としての活躍がめざましい山下美月さんが、ターニングポイントとなった作品や人との出会いを語りました。

山下さんは、2016年にアイドルグループ・乃木坂46の3期生オーディションに合格し、2024年5月に卒業するまでの約8年間、中心メンバーとして活動してきました。グループ在籍時から『CanCam』の専属モデルを務め、ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS)、連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK)、映画『映像研には手を出すな!』など俳優としても活躍。

2025年はすでに、ドラマ『御曹司に恋はムズすぎる』(カンテレ・フジテレビ)、『殺した夫が帰ってきました』(WOWOW)、映画『山田くんとLv999の恋をする』と出演作が続々公開。また、ドラマ『新東京水上警察』(フジテレビ)の放送、映画『火喰鳥を、喰う』、『愚か者の身分』の公開が控えており、今後さらなる活躍が期待されています。

めざましmediaは、山下さんにインタビュー。俳優としてターニングポイントになった作品や26歳となった今の思いを聞きました。

山下美月 20代後半に入り年齢を意識するように「これから今とは違う仕事に興味を持つかもしれない」

──2024年に乃木坂46を卒業して以降、俳優業がより本格化していますが、俳優としてターニングポイントとなった作品や人との出会いはありますか?

ターニングポイントになった作品はいくつかありますね。そのなかでも『着飾る恋には理由があって』(TBS)で塚原あゆ子監督と新井順子プロデューサーと出会えたことは大きかったと思います。

正直なところ、それまでは「お芝居をもっとやりたい」という思いはそこまでありませんでした。でも、お二方が作り出す現場がすごく面白くて、もっといろいろな現場に出会って、お芝居をもっとやりたい」と思えたきっかけの作品です。

──それまでの現場とはどのような部分が違って面白かったのでしょうか?

本当に細かくいろいろなことを言ってくださる方だったんです。例えば、完パケが出来上がったときに「あのシーンが良かった」「ここはもう少しこんなふうにしてみると良かったかも」などと、赤ペン先生のように毎話お手紙をくださって。

台本の読み方を含めて、教えていただくことも多かったです。それまでの現場では、自分で共演者の方々のお芝居を見て学ぶということはありましたが、監督から直接教えていただくことはあまりなくて。それが『着飾る恋には理由があって』の現場では、いろいろなことを教えていただけたので、より愛を感じました。

──その後、塚原監督、新井Pが担当する『下剋上球児』(TBS)にも参加していますね。

そのときも、同世代のキャストがチーム一丸となって頑張って、野球の練習などをしている姿を見て、そこまで熱量をかけるテレビドラマってステキだなと思いましたし、自分も頑張りたいと改めて思えました。

──球児役のキャストは長い期間オーディションをして決定したそうですし、熱量は高かったのですね。

そうですね。現場では、球児役の方々とそれを支える大人キャストで対応がわかれることがあったのですが、私は年齢的に球児の皆さんと近いのに、くくりは大人チームに入っていたので不思議な感覚でしたね。弟役を演じていらした兵頭功海さんは年下の設定でしたけど、実年齢は私より年上でしたし。

でも、大人チームに入ることで「球児役の皆さんを支えなきゃ」という責任感も生まれて、貴重な体験でした。

──7月に26歳になったばかりの山下さん。年齢を意識することはありますか?

20代後半に入ったことで、意識するようになりました。というのも、30代までこの業界にいる想像がまだできていないですし、この仕事は“有限なもの”という認識もあって。「おばあちゃんになるまで、ずっと俳優でいる」というよりも、「1度、できるところまでやりきろう」という気持ちが強いんです。

これから、お仕事以外のプライベートの部分で進みたい“自分の人生”が見えてくるかもしれないですし、今とは違う仕事に興味を持つかもしれないですよね。そういう可能性もあるなかで、年齢とともに人生の大きなくくりで、いろいろ考えることが増えました。

──30代に向けてやっておきたいことや、「こんなふうに過ごしたい」というような理想像はありますか?

20代の特に前半は、すべてのことに対してとにかく必死に、がむしゃらにやっていたので、自分の生活やプライベートをあまり考えていませんでした。

でも、20代後半に入って、仕事にもゆとりが出てきて、車の教習所に通ったり、海外旅行に1人で行ってみたり、自分のやりたかったことが徐々にできるようになってきていて。30代はもっと“自分”として生きていけるのではないかな、と。すごく楽しみです。

──今年も残すところあと約3ヵ月。年内にやっておきたいことはありますか?

今年はもう、いろいろやり切ったので、もう終わっても大丈夫です(笑)。海外旅行にも行けましたし、プライベートが充実しつつ、お仕事もたくさんやらせていただいたので、結構満足しています。

──では、2026年にやりたいことはありますか?

パッと思いついたことですと、親知らずを抜きたいです(笑)。お仕事などに関しては、これから考えますが、親知らずを抜くのは2026年の一つの目標です。

撮影:山越隼