心臓病や脳卒中などのリスクが高まる高血圧。
その治療のガイドラインが8月29日、6年ぶりに改訂されました。

今回の改定のポイントは、年齢や病態などで変動していた血圧の目標を、一律で130/80mmHg未満に統一(診察室血圧)すること。
さらに、血圧を下げるための対策として、毎日30分以上の有酸素運動に加え、筋トレを行うことや、日々の血圧管理にアプリなどの利用が推奨されています。

2023年時点で、治療を受けていない“隠れ高血圧”を含めると、推定で4300万人、実に日本人の3人に1人が高血圧の可能性があるといいます。
加藤茶の血圧改善 妻・綾菜の減塩メニュー
高血圧になる原因の一つが塩分の多い食事。
今回、『サン!シャイン』が取材したのは、タレントの加藤綾菜さん。
夫の加藤茶さんは結婚当初、偏った食生活や多忙な毎日を過ごしていて、重度の高血圧を患っていたといいます。

加藤茶の妻 加藤綾菜(37):
70歳ぐらいまでは全盛期の忙しかった時も、血圧がだいたい200mmHg近くあったって言ってました。
熱が出る、頭が痛い。あと、異常なまでに足がむくんで、足首がなくなるぐらいむくんでいて、靴を履くのが痛い。

夫の高血圧を見かねた綾菜さんは、栄養士と相談し、食事の見直しを徹底することに。
考えたのは、1日あたりの塩分摂取量を6g未満にする独自の減塩メニューです。

教えてくれたのは、綾菜さん流「減塩 ちらし寿司」。味の決め手は、研究して編み出したという「氷だし」です。
加藤綾菜流「減塩 ちらし寿司」(2人前)

・ごはん 300g
・マグロの切り身 120g
・酢 大さじ1
・砂糖 小さじ2
・しょうゆ 小さじ2分の1
・ミョウガ 1個
・大葉 4枚
・ごま 小さじ1
綾菜流「氷だし」

①タマネギ2分の1・ショウガ5gをすりおろし、鍋に200mLの水を入れ中火にかける
②酒かす6gを溶かし、火を止め、かつお節6gとしょうゆ大さじ1を入れて、2分ほど粗熱をとる
③ざるなどでだしをこす
④アイストレーに流し込み冷凍庫で凍らせる

綾菜さんによると「氷だし」1個当たりの塩分量は0.3g。

①解凍した「氷だし」1個としょうゆ小さじ2分の1をマグロに漬ける
②酢飯の味付けに「氷だし」1個と酢大さじ1、砂糖小さじ2を加える
③刻んだ薬味、「氷だし」に漬けたマグロを加える
④お皿に盛り付け「とびっこ」などで色味をつければ完成
1人前あたりの塩分はわずか0.6g。一般的なちらし寿司の5分の1程度です。
おいしく塩分をカットした食生活で、加藤さんの高血圧は、みるみる改善。
血圧が安定したことで生活習慣にも変化があったといいます。

加藤綾菜:
血圧が安定してきて、今は上がもう今日で、115mmHgぐらいでしたね。
足のむくみが治ってきたら、ちょっとアクティブになって歩けるようになってきて。今ピラティスに通っています。
元気になってきてからは、108歳まで生きたいとか、90歳になっても(髙木)ブーさんと一緒に舞台に立ちたいとか、結構未来について語るようになって、今の加藤ちゃんの方が輝いているなと思いますね。
ナトカリ比の改善
今回のガイドラインでは、食事の項目に、減塩だけでなくナトカリ比の改善が追加されました。

ナトカリ比とは、塩分(ナトリウム)とカリウムの比率のこと。
カリウムには塩分を排出する働きがあり、減塩+カリウムの摂取で高血圧対策に効果的だといいます。
例えば、カレーライスとトマト。トマトのカリウムでナトカリ比を下げ、リコピンで血流改善の効果があります。
ラーメンには、野菜の中でカリウム含有量トップクラスのホウレンソウを入れると効果的です。

そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック 工藤孝文副院長:
カリウムを摂取すると腎臓からナトリウムが排出されます。ナトリウムが排出されると体の水分も出ていきますので、血液量が減って自然と血圧が下がってくるような形になります。血管の、ホースの中の水が減るようなイメージですね。
『サン!シャイン』では工藤副院長に、高血圧対策について聞きました。
食材の組み合わせで高血圧対策

・納豆×レモン
工藤副院長:
レモンにはクエン酸とかポリフェノールが含まれているので、納豆のナットウキナーゼと組み合わせると相乗効果で血液がサラサラになる。血圧が落ちるという効果があります。
レモンは調味料に使うと非常に良くて、しょうゆ半分レモン半分でお刺身とかをとってもらうと風味も落ちませんので、料理をするときは半分半分でやってみると血圧がさらに落ちてきます。

・ヨーグルト×オカラパウダー
腸内の善玉菌が食物繊維と結合し短鎖脂肪酸に。血圧を下げる効果に期待できる
・味噌汁×アマニ油・えごま油
EPAが含まれており、血液をサラサラに。血圧を含めた動脈硬化疾患に有効
リスクを高める要注意行動
血圧が急上昇する行動には要注意。
血圧の上昇を繰り返すと高血圧リスクが上がります。

・起床時すぐに起き上がる
対策…あお向けのまま深呼吸し、横向きになったり手足を伸ばす。1~2分ほどでゆっくり起き上がる

・鼻を強くかむ
対策…鼻をかむ際は片方ずつ力を入れすぎないように優しくかむ。
・スマホを見る前かがみの姿勢を続けるとリスク上昇
対策…スマホは目線の高さに。30分に一度、肩や首を回す
工藤副院長:
後頭部と首の境目あたりに延髄というのがあって、血圧調節機能があるんですね。
ここが前に出ていると血圧が上昇しやすくなるので、なるべく顎を引いてもらって目線を合わせ、30分に1回ぐらい首を回して前に出ないようにスマホ首にならないようにすることが血圧上昇を予防します。
マッサージで血圧改善

マッサージはされる側だけではなく、する側も高血圧対策になります。
される側…筋肉の緊張がゆるみ、血行促進、ストレスが減って心拍数・血圧が安定する
する側…オキシトシン(幸せホルモン)が分泌され、リラックス、ストレスが減り血圧が下がる可能性

工藤副院長:
一番凝りやすい首筋から肩にかけて優しくマッサージしてもらえると、マッサージされる側も血流が良くなりますし、筋肉のコリが取れて血圧が徐々に落ちてきます。
強さは優しくて気持ちいいぐらい。ゴリゴリしちゃうと体が興奮してしまい、血圧が上昇しますので。
(『サン!シャイン』2025年9月2日放送より)