アニメ『スラムダンク』のオープニングに登場し、ファンの“聖地”となっている、神奈川・鎌倉市の海岸沿いの踏切。

以前から、海外からも含めて多くの観光客が訪れていましたが、今、一部の人による迷惑行為が問題化しているといいます。

『サン!シャイン』は、踏切周辺を12時間にわたって密着。エスカレートする迷惑行為の実態を取材しました。

車道に出て撮影 住民を脅すような行為も…

8月27日、午前9時前に踏切を訪れると、すでに多くの観光客の姿がありました。

台湾から来た観光客:
スラムダンクに出ていた場所を撮影したかったんです。多くのYouTuberがここを撮影しているので、その映像を参考にしました。

車道の真ん中で撮影する観光客

スマホやカメラで、思い思いの撮影を楽しむ人々。しかし、中には電車が来ているのに踏み切りギリギリで立ち止まったり、車道に出て撮影をする人も…。

パトカーがひっきりなしに「歩道に入ってください、車道に出ないでください」と注意を呼びかけますが、お構いなし。

時間がたつとさらに人が増え、道路の真ん中に座り込んだり、撮影禁止の場所から撮影をしようとする人など、現場はカオス状態に。警察が必死に英語を使って注意しますが、なかなか移動しようとしません。

住宅の塀を登り出す子供 親とみられる人物は注意をしない

ついには、外国人観光客の子供が近隣の住宅の塀に上って遊びだしてしまいました。
取材スタッフが通訳を通して、父親だという男性に危険な行為であることを伝えると、なんとか理解してもらえました。

昼頃には、駅に続く階段に観光客が座り込み、通行を妨げます。駅に向かう周辺住民は、いつもわずかな隙間をなんとかかき分けて、階段を降りるといいます。

さらに住民の頭を悩ませているのが、頻繁に現場近くにやってきては数人の観光客を降ろしたり乗せたりしている謎の車の存在。

交通の妨げになるだけでなく、家の前に一定時間停車されるケースも…。
注意すると、あおられたり、怒鳴られたりするため、周辺住民も恐怖を感じているといいます。

周辺住民:
ある人がクラクションをちょっと鳴らしたら、追いかけてこられて、写真撮って脅されたみたいな。

脅された住民は警察に相談したといいます。

住民「最低限守るべきマナーはわかって」

踏切周辺での迷惑行為は、他にも。
踏切から約200m離れた場所にある病院の入り口には、日本語と英語・中国語・韓国語で書かれた「患者、関係者以外のトイレの使用は禁止」という張り紙が。

病院によると、一部の観光客が、無断でトイレを使用したり、コンセントを使ったりするなどの行為が後を絶たないといいます。

不満は、最寄り駅の利用者からもあがっています。

周辺住民:
江ノ電から帰ってきて、降りようとしたら、降りられないんです。人が一杯で。もう電車から降りられない。
車内も多いし荷物も多いしホームにも人があふれていて。乗る人と降りる人のね、譲るとか待つとかっていうことが、(海外の方は)感覚的に違うんでしょうね。あれはちょっとねびっくりしました。

近くにある「鎌倉高校駅」のホームを見てみると、訪れた観光客と、住民とみられる人や学生たちが入り乱れ、今にもあふれそうな状態になっていました。
人が多すぎて電車に乗れず、1本やり過ごすことも日常茶飯事だといいます。

周辺住民:
こうやって来てくださることは、ありがたいことだとは思わなければいけないとは思いつつ…最低限守るべきマナーは分かっていただけるように、働きかけていただけたらなと思いますね。

(『サン!シャイン』 2025年8月28日放送より)