――最近、特に大変だったことがあれば教えてください。

昨年、ミュージカルに出演したのですが…ミュージカルは経験があまりなくて、お稽古初日に歌ってみたら「あっ、これは事故が起きる」と思いまして(苦笑)。幕が開いても私はステージに立てないかもしれないと思うほど、自分の力の足りなさに恐怖を抱きました。実際、本番初日は、自分で見て分かるくらい足が震えていました。

でも、本当にたくさんの方に支えていただき、自分なりに「私がやった意味はあったかな」と思える作品にできたと思っています。「あきらめたい!」と思ったけれど、あきらめなくて良かったです。心がヒリヒリしましたが(苦笑)。

三浦透子 ミュージカル歌唱に必要な“筋肉”の不足を痛感

――三浦さんは歌手としても活動していますが、ミュージカルのどんなところが難しかったのでしょう。

自分の歌は、歌いやすいメロディであったり、そんなに大きい声を出さなくても、むしろそれが“豊かな表現”として捉えられる場合もあったりするので、自分が気持ちよく歌える音楽であることが多いです。

でもミュージカルの歌は当然、作品のためにつくられた歌ですから、私にはちょっと難しいメロディもあります。歌詞もセリフの一部だったりするので、気持ちの乗せ方や、音を選ぶときに大事にしているものが変わります。さらに、必要な声量、マイクとの距離感、体を動かしながら歌うところも、自分の歌を歌うときとは全然違います。

なので最初は、ミュージカルの歌を歌うために必要な“筋肉”が足りないと痛感しました。ミュージカルをずっとやっている方は、リスペクトの意を込めて、アスリートのようだと思います。みなさん技術もそうですし、継続する力も備えています。私も、少しでもその域に近づきたいと思いながら稽古をしていました。

――またミュージカルのオファーが来たら…?

やります!できなかったことが、できるようになるというのが、このお仕事の楽しみの一つだと思っているので、これからも、そういうものをたくさん見つけていきたいなと思います。

――前回“語り”を担当した2024年1月放送の『ザ・ノンフィクション』インタビューで三浦さんは、お母さまが番組の大ファンだと話していました。前回の反応はいかがでしたか?

三浦透子「正直難しく感じるんじゃないかな」社会をはみ出た“家出人”の働き方に共感

私が“語り”を担当するという情報が解禁されたらすぐ、先に母から連絡が来て、「ずっと夢だった」と言われました

特に根拠はないと思うんですけれど、母は昔から「透子は声のお仕事をやったほうがいいと思う」と言ってくれて。もしかしたら『ザ・ノンフィクション』にたどり着かせるためだったのかもしれません(笑)。今回は私から先に、ちゃんと報告したいと思います。

予告動画&無料配信

YouTube「フジテレビドキュメンタリー」で、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。8月24日(日)14時~「あなたに帰るところはありますか 〜塀の前で待つ人〜」予告。

8月10日・17日放送「夢と修業と初恋と 前・後編」(語り:松本若菜さん)が、8月31日までTVerFODで無料配信されます。

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