ナレーション収録終えた三浦さんにインタビュー。松浦さんを見て感じたことのほか、三浦さん自身が、結婚してから“帰る場所”で意識して変えるようになったこと、「あきらめなくて良かった」というミュージカルへの挑戦などについて聞きました。

三浦透子 支援を続ける松浦さんは「すごく心の強い人」

――出所者を親身に支える松浦さんに、どんな印象を抱きましたか? 

すごく心の強い人だと感じました。自分が相手に求められているかも分からぬまま、正面から飛び込んでいき、「今のあなたにはこれが必要だ」と思うことを提供する。心のドアをノックしてもなかなか振り向いてくれない相手に向き合い続けるというのは、モチベーションを保つのが大変だろうなと思いますし、もし自分だったらできるかな…と考えてしまいます。

どんなに強い思いがあっても、行動に移すのは実際すごく難しいことではないかと思います。それを続けている松浦さんは本当に素晴らしいと思いながら、ナレーションを読ませていただきました。

――出所直後に突然声をかけられて戸惑うこともありながら、松浦さんのサポートを受けて、ほとんどの人が再び罪を犯すことなく人生を歩んでいます。

松浦さん自身も同じような経験があり、帰る場所や支えてくれる人の大切さを、身をもって感じているからこそ、支援を受けている方も松浦さんの言葉を受け止めやすいのではないかなと思います。松浦さんのまっすぐな目が印象的です。

三浦透子 今春結婚して「生活に関わる時間に、心を費やすように」

――松浦さんは「帰る場所があることは、心の安心につながる」と話していました。

やっぱり、帰る家があって、そこが自分にとって安心できる場所というのは、生きる上ですごく大切なことだと思います。

――三浦さんは、家へのこだわりはありますか? 

一人暮らしをしていたときはこだわりがなさすぎて、あまり物がなくて、そこまで広くもなかったので、シンプルなホテルのような部屋でした。ただ寝るためのお部屋という感じでした。

――2025年4月に結婚しましたが、暮らしに変化はありますか?

今まではどちらかというと、自分の仕事ややりたいことに時間やお金、労力を費やすタイプだったのですが、意識して変えるようになりました。

心身ともに元気な状態でしたいことをするには、家での過ごし方が大事だなと思って。食事や睡眠など、生活に関わる時間に心を費やそうという意識を持つようになりました。そうするようになってから、仕事もより充実している気がしています。

――「あきらめなければ、人生はやり直せる」というナレーションがありましたが、三浦さんは「あの時、あきらめなくてよかった」と思うことはありますか?

新しい作品に参加して、それが終わって…というのを経験するたびに思います。仕事によって必要な技術や、やらなければいけないことが違うので、作品が変わると毎回0に戻るような感覚です。

作品に入って最初の頃は、終わりがまったく見えなくて気が遠くなりますし、「もうできない」と思うこともあります。でもやっぱり、作品をつくり終えたときは「あそこで逃げなくてよかったな」と思います。