2025年10月に、放送開始から30年を迎えた『ザ・ノンフィクション』。2025年も、今を生きる人々の心を描いてきました。

この1年間に放送された中から、YouTubeチャンネル『フジテレビドキュメンタリー』にてオリジナルカット版や「その後」の物語が無料配信中。その全7作品を紹介します(前後編の前編)。

クズ芸人・小堀敏夫(ガッポリ建設)が婚活に挑むものの…

1月5日に放送されたのが、『クズ芸人の生きる道~57歳 婚活始めます~』。2020年4月の放送に続く第2弾です。

「婚活をしようと思うんだけど…」番組スタッフに連絡をしてきたのは、5年前に「クズ芸人」と呼ばれ、所属していたワハハ本舗を“クビ”になったお笑いコンビ「ガッポリ建設」の小堀敏夫さん(57歳)。

お笑い芸人・小堀敏夫

トレードマークはジャイアンツの帽子、家賃3万2000円の安アパートに暮らしながら“ギャラ飲み”と借金で、その日暮らしの日々。芸を磨く努力は皆無で、ネタ見せをサボり、パチスロに興じる小堀さんを、ワハハ本舗主宰の喰始(たべ・はじめ)さんは「クズ芸人」と呼びました。

あれから5年…57歳になった小堀さんは、相変わらず“ギャラ飲み”で生計を立てていました。お笑い芸人としての活動は、月に1回のお笑いライブだけ。父親を亡くし、母親も寝たきり状態、還暦が近づく中で老後が不安になり「結婚がしたい」と思い始めたといいます。

「お金持ちの女性と結婚して養ってもらいたい」という小堀さんは結婚相談所に入会を決め、婚活をスタート。婚活アドバイザーの手ほどきで身なりを整えた小堀さんは、次々とお見合いを成立させていくのですが…。

お見合いをする小堀敏夫

張り切ってお見合いの場に臨むものの、会話は、どこまで本当かも分からない小堀さんの話ばかり。「ガッポリ建設」の名を出せば、自身が「クズ芸人」であることがバレてしまいます。

結果、お見合いした女性たちからは「お断り」されることが続き、結婚相談所の会費も支払えなくなった小堀さんは、次第に人生の窮地に追い込まれていき…。

「出家したい」と飛び込んだ寺をわずか2日で逃げ出し、音信不通となった小堀さん。YouTube『フジテレビドキュメンタリー』では、小堀さんのその後の日々を追っています。寺から逃げ出して1ヵ月半。小堀さんは、連絡を絶っていた室田さんのもとへ謝罪に向かうのですが…。