声優・中村悠一さんが、TVアニメ『TO BE HERO X』の黙殺を演じる際の思いを明かしました。

中国を拠点とするbilibili×アニプレックスによる完全オリジナルアニメーション『TO BE HERO X』。本作は、特殊な能⼒を持ったヒーローたちが喝采を浴び、⼈々からの「信頼値」によって“ヒーローランキング”が変動する世界で繰り広げられる物語を描きます。

めざましmediaでは、『TO BE HERO X』のトップヒーローを演じる声優10人(X:宮野真守、クイーン:花澤香菜、梁龍:内山昂輝、黙殺:中村悠一、リトルジョニー:松岡禎丞、ロリ:佐倉綾音、ラッキーシアン:水瀬いのり、トラ:山寺宏一、魂電:島﨑信長、ナイス:花江夏樹/敬称略)のインタビューを順次公開していきます。

第6弾に登場するのは、ヒーローランキングNo.4の“黙殺”を演じる中村さん。

黙殺は、言葉を発することなく任務を全うする暗殺者。あるとき、FOMOというSNSプラットフォームに実家の精肉店で働く様子などがアップされ、その端正な顔立ちが話題になり、信頼値が上昇。高ランクのヒーローが多数所属するヒーロー事務所・マイティグローリーからのスカウトを受けて黙殺として活動を始めました。

そんな黙殺を演じる中村さんに、本作の企画を最初に聞いた際の感想や黙殺の人物像、印象に残っているシーンなどをインタビュー。また、“リレー企画”として、ヒーローランキングNo.3の梁龍を演じる内山昂輝さんに“ヒーローネーム”をつけてもらいました。

中村悠一が語る「黙殺の魅力が集約されている」シーン

──本作の企画や物語を最初に聞いたときの感想を聞かせてください。

今はすでに放送されていて、設定などはホームページなどに書いてありますが、最初にお話をいただいたときは黙殺がどこから登場するのか、黙殺編の前に何が起こっていたのか、当初はお話の構成も理解できていなかったんです。

冒頭から全キャラクターでいろいろな物語を見せていくのかと思ったら、各キャラクターのエピソードをつないで一つのお話にしていくというつくりだったこともあり、黙殺が登場する頃には設定が“大前提”になっていて。そういう点で、個人的にはちょっと難しい始まり方だなと思っていました。

──黙殺はどのような人物と捉えて演じましたか?

黙殺の断片的な情報は出ていましたが、決定的な細かいところは描かれていないので、アフレコに参加するようになっても、難しさは感じていました。特に「ヒーローになりたい」という意思がよく見えなくて。演じるにあたって、何をキャラクターの中心に据えたらいいのか悩みましたね。

ワン・イー/黙殺(CV:中村悠一)

彼の中に“しゃべらないことの美徳”が…美徳というよりは、大家族の中で生まれ育った生活環境の影響でしゃべらないようになり、しゃべれなくなってしまったという事実があって。

“しゃべる”ということは情報が伝わってしまう良くないこと、と思い育った描写もあり、だから、“しゃべらない”ということを選んで生きてきたんだと、黙殺編の1話目で知ることができました。その前振りが効いてくるのは、黙殺編の2話目で娘のワン・ノノ(CV:古賀葵)が、黙殺の日記を読むところですね。

ワン・ノノ(CV:古賀葵)

黙殺は、ノノが生まれる前に妻と別れ、離れて暮らしていましたが、大きくなった娘の趣味嗜好を理解するために、ストーカーと誤解されるくらいコソコソとあとをつけて、好きな花や映画や歌を知っていきます。

その一つひとつを日記に書いていて、黙っているけど何も考えていないわけではなく、いろいろなことを1人で考えて、抱え込んでいるということがわかってもらえたかな、と。あの日記のシーンは、黙殺の魅力が集約されているなと感じました。