──表向きは黙っているものの、モノローグは多かったと思います。また、その語り口も意外とポップだなと感じました。
ヒーローネームとのギャップがあって、僕もびっくりしました(笑)。特にロリ(CV:佐倉綾音)やリトルジョニー(CV:松岡禎丞)と関わるシーンではポップさがありましたね。

最初にいただいた企画書にキャラクターの設定などは書いてあったのですが、黙殺はプラスの意味で口数が少ないんだと捉えていたんです。でも、実際に物語を見てみたら結構ネガティブで、印象は随分変わりましたし、演じてみないとわからないことも多くて。
しかも、黙殺編では本当によくしゃべっている。半分は視聴者に向けた説明的なモノローグではあるんですけど。実はしゃべらないながらも、意外といろいろなことを考えていて、頭の中では言葉が回っているキャラクターなんだと、出番が回ってきて気づきました。
中村悠一 3Dアニメーションだったナイス(CV:花江夏樹)編に驚き
──印象に残っているシーンはありますか?
一番印象に残っているのはナイス編の、1話目が3Dアニメーションだったことですね。キャラクターごとに絵のテイストや、2D、3Dが変わるということを知らなかったので、3月に行われたジャパンプレミアのときに1話を拝見して「え、違うアニメ?」とちょっと戸惑いました(笑)。

その段階ですべてのエピソードが完成していなかったのですが、黙殺も含めて、全キャラクターの映像を少しずつ見せていただいて。みんなキャラクターデザインのベースも表現も違い、すごい試みだなと感じたのを今でも覚えています。ただ、これが、視聴者の方にどう伝わるんだろうということも思いましたね。
積極的に事前情報を取り入れて見てくださる方は作画の変化はご存じだと思いますが、「あ、なんかやってる」とたまたま見た方からすると「あれ?先週の続きのつもりで見たのになんか違う」とか「ナイス(CV:花江夏樹)がいないけど、あの人なんだったんだ?」と思うんじゃないかな、と。そういう仕掛け自体が挑戦的ですよね。
終わってみないとこの仕掛けが良かったのか、悪かったのかわかりませんが、僕は少し驚きました(笑)。なので、1話は一番印象に残っています。

──黙殺編ではいかがですか?
黙殺編の1話目はずっとシリアスですが、2話目になって、娘・ノノとの心の交流をはかることができて、周りのロリやリトルジョニーが勘違いをして話を進めるという、ちょっとコミカルな場面が出てきます。
その後、ノノが黙殺の日記を見つけて涙するというシリアスなシーンで黙殺編を閉じるという流れは、すごく良かったなと思いました。

黙殺としては、娘との距離をどうにかしたかったのですが、それも解決したと思っていい状況ですし、一旦役割を終えていますよね。だからこそ、これからどういう動きを見せるのか、気になるお話の展開になっていたので、黙殺編は通しで面白いなと思いましたし、印象的でした。