6月にもかかわらず、連日各地で“真夏日”を記録している日本列島。

18日は、岐阜・多治見市で37.6℃、東京都心も最高気温34.4℃を記録し、猛暑日に迫る暑さとなりました。

一歩間違えれば、命にも関わる暑さの中、『サン!シャイン』が取材したのはエアコンの修理やクリーニングを行う業者です。

訪れたのは、茨城県小美玉市の住宅。早速エアコンの清掃作業を始めますが、部屋の気温は29℃。動かなくても汗をかく暑さの中、休憩を挟みつつ、作業は3時間にも及びました。

エアコンの交換を行う「交換できるくん」エンジニアの下山克重さんによると、2024年の同じ時期に比べて増加しており、多いときは8件ほどの依頼がある日もあるといいます。

エアコンに関係する依頼は、室内だけではありません。

自動車修理などを行う「有限会社造サービス」には、ここ数日の暑さから車のエアコンの調子が悪いという問い合わせが殺到。

予定表を見せてもらうと、修理の依頼が並んでいます。

中には、宅配業者の冷蔵・冷凍車がここ数日の暑さで冷却機能が弱くなり、修理依頼が来たというものもありました。

有限会社造サービス 平岡亨さん:
エアコンが突然効かなくなっちゃったっていう内容になりますね。壊れる原因は、「暑さ」一本だと思います。30℃を超える気温っていうのは、機械も悲鳴をあげているような暑さなんだと思いますね。

この暑さは、灼熱の道路に面しているタイヤにも影響を及ぼしています。
炎天下の中、作業を行うのは自転車の出張修理業者。
暑さでタイヤのゴムが柔らかくなり、パンクなどにつながるケースが増えているといいます。氏本代表によると、ここ数日は毎日10件近くの依頼が来ているといいます。

自転車の出張修理屋さん 氏本徹代表:
普段だったらそんなに忙しくない時期なんだけど、急にきのう(17日)から忙しくなった感じですかね。

寒すぎる設定温度は要注意!

この時期、特に熱中症への警戒が必要な高齢者。自宅では、どのように過ごしているのでしょうか?

17日、都心の最高気温が35℃に迫る中、『サン!シャイン』が訪れたのは、都内で、1人で暮らしをしている髙橋伴江さん(88)のお宅です。

暑さのため、日中は外に出ずテレビを見て過ごすことが多いという髙橋さん。エアコンもしっかりつけていますが…その設定温度はなんと「16℃」。室内では布団にくるまって過ごすことも多いといいます。

熱中症などに詳しい、東京曳舟病院の三浦邦久副院長によると、低すぎる温度設定はかえって危険だといいます。

東京曳舟病院 三浦邦久副院長:
16度ですと、かえって血管が締まって熱を外に放散しにくくなるんですよ。
(室内の温度が)24℃~27℃ぐらいの温度が非常によろしいかと思います。(環境を)可視化するために温度計を近くに置くということをやっていただくのがよろしいかと。
寒いことによって、(布団にくるまって)こうやって寝てしまって、筋力が落ちてしまう。ちょっと座っただけでもいいですし、足踏みみたいな形でも違いますから筋力をつけるということが重要です。

そして、熱中症予防に大切な「水分補給」。
髙橋さんは、1日に500mLのペットボトルのお茶を2本飲んでいるそうですが、三浦医師によると、最低でも、1日に1.5L~2Lは水分補給をした方がいいとのことです。

エアコンはつけず水分も制限…「非常によくない」

エアコンをほとんど使わないと話すのは、都内で1人暮らししている堀越善之助さん(84)。

夕方になっても室内の温度は30℃近くに。エアコンや扇風機はありますが、「首がこる」と窓を開けて、風で涼むといいます。

毎日の晩酌を楽しみにしているという堀越さん。喉が渇いている方がお酒がおいしく感じると、日中はあまり水分を摂取しないといいます。

堀越善之助さん(84):
2Lのペットボトルで3分の1(約700mL)。水飲みすぎると、夜のビールがうまく感じないからね。

この日も、夕方から夜にかけて、堀越さんが口にした水分は、お水1杯と晩酌のアルコール飲料だけでした。

そんな堀越さんの過ごし方を見た、三浦医師は…。

東京曳舟病院 三浦邦久副院長:
風通しはいいんですけど、日光を遮断するという、さらに暑くならないために、すだれもしくはレース(のカーテン)とか、そういった遮光するものをやられた方が効果が出ると思います。
よくアルコールを水分として、カウントするんですけど、飲んだ分だけお水を飲んで頂く。いわゆるチェイサーを飲んでいただくというのが重要なので、(アルコール飲料は)水分量としてカウントするのではなくて、むしろ脱水に傾けさせるので、非常によくないと思います。

さらに、三浦医師が警鐘を鳴らしたのは、堀越さんの「1人で過ごす時間の長さ」です。

東京曳舟病院 三浦邦久副院長:
高齢者の1人で(いた時)の人が、たいてい熱中症で亡くなっているんです。熱中症というのは1人の時に重篤になるので、誰かが気づけば、大丈夫なんです。誰かをこう見守ってあげるという。
熱中症というのは油断から出る病気なんですね。これは大丈夫、ここだったら大丈夫だろうというふうな積み重ねになって熱中症が起きてしまうんです。
自分でちょっと自制して、水を飲んでおこうとか、エアコンをつけてみようとか、そういうふうなアクションを起こしていただくことが、とても重要だと思います。

寝苦しい夜に…エアコンの上手な使い方

これからも、ムシムシと寝苦しい夜が続きますが、どのようにすれば熱中症を防ぎ快適に過ごせるのでしょうか。スリープトレーナーのヒラノマリさんに熱中症を防ぐ、エアコン活用術を聞きました。

ヒラノさんによると、寝るときの理想の室内温度は26℃、湿度は50%。
この温度、湿度に持っていくには、室温と空調の設定温度が、2~3℃ギャップがあることを知ることが大切です。

寝る2時間前に強めの空調で部屋を冷やし、30分~1時間経過後に最適温度、湿度になるように調整してください。
あたたかい空気は上の方に溜まっているため、風向きは一番上向きで。エアコンは起きるまでつけっぱなしにしてください。

眠るときの服装は、パジャマは長袖、長ズボンがオススメ。汗かくことで深部温度が下がり、布が汗を吸ってくれます。パジャマは綿や麻など通気性の良い素材がいいそうです。
ベッドを壁にくっつけていると壁からの熱が伝わってしまうので、空気を循環させるためにも、壁から10~15㎝離しましょう。

しっかりと熱中症対策をして、快適な夜をお過ごしください。

(『サン!シャイン』 2025年6月19日放送より)