6月16日、梅雨の真っただ中にもかかわらず、今年最多となる420地点で、30℃を超える「真夏日」を観測。

さらに、35℃を超える「猛暑日」も22地点で観測されました。

“梅雨型熱中症”に注意

日本一“暑い街”として知られる埼玉・熊谷市も最高気温31.9℃を記録。

市内にある、救急病院を取材すると…午後3時すぎ、熱中症の疑いで50代の男性が搬送されてきました。
炎天下の中、草刈り作業をしていたところ、めまいなどの症状が出たといいます。

患者「焦点が合わない」
医師「目の焦点が合わない?わかりました。熱中症だと思うので少し点滴して血液検査をやりながら休んでいただくことになります」

全国の熱中症とられる症状での救急搬送は、去年の同時期と比べ大幅に増加しています。
その理由について、埼玉慈恵病院・藤永剛医師は…。

埼玉慈恵病院 藤永剛医師:
もともと梅雨時はやっぱり湿度が高いっていうのは以前からありましたけれども、昔の話でいうとそんなに気温上がっていなかったんですけれども、最近だと梅雨時でも以前よりも気温が上がってきていますので、それが「梅雨型熱中症」を増やしている一番の原因かなと思います。

熱中症対策義務化 建設現場では…

『サン!シャイン』が取材したのは、茨城・古河市の建設現場。

6月16日の最高気温は32.8℃。
6月から各企業に義務化された職場での熱中症対策。

現場責任者 谷一昌芳主事:
こちらウェアラブル端末で、体内の深部体温を測定して、深部体温が上がると鳴るようになっています。

全ての作業員が熱中症のリスクを検知する腕時計型の端末を身につけ、アラームが鳴ったら休憩をとるルールになっています。

休憩所に準備されているのは、食べ放題のかき氷。さらに、作業員が飲んでいるのは熱中症予防の塩分入りのゼリーです。

作業員:
(過去に現場で)1人、2人は熱中症になっているので、自分はなりたくないのでこういう対策は本当にいいと思います。

観覧車の冷房化

16日、最高気温32.0℃の真夏日を観測した、群馬・伊勢崎市。

市内にある遊園地では、ミストや日傘の貸し出しサービスなどを行っています。

さらに、去年から始めた新たな熱中症対策が…
平日でも約200人が利用する人気アトラクション「大観覧車ひまわり」の一部の冷房化です。

実際にスタッフが観覧車に乗り、サーモカメラで撮影してみると、クーラーが設置されているゴンドラの中は黄色や青の部分が多くなっており、体温も低くなっているのがわかります。

一方、クーラーが設置されてないゴンドラの中は全身が真っ赤な状態。

Auto Mirai 華蔵寺遊園地 蜂須伸治園長:
(観覧車の)室温が38℃を超えたていたら(運行を)止めていたんですよね。ただ、そうすると夏場はほとんど止めるような形になってしまいます。

現在、クーラーが稼動しているのは36基あるゴンドラのうち8基。今後18基を稼動させる予定だといいます。

16日は、東京都心でも気温が今年一番の暑さとなる31.6℃まで上昇しました。

暑さいつまで続く?

天達武史気象予報士:
この時期って真夏よりも湿度がものすごく高いのと、体がまだ慣れてない時期ですから、(熱中症に)より気づきにくいんですよね。自覚がない。
気づいたらもう「気持ち悪い」ってなっていると、中程度の熱中症になっていることが多いので、時間を決めたりして水分補給を少しずつ取っていくことが大事になってくると思います。

西日本・沖縄の週間予報、那覇はもう梅雨明けしているので晴れ。西日本は土日から少し雲が多くなってきますが、最高気温が曇り空でも30℃を超えてくると。まさに“梅雨型熱中症”に注意が必要になります。少なくとも来週前半までは暑さが続きます。

東日本・北日本も同じような傾向で、新潟あたりでも21日(土)までは30℃が続き、東京・名古屋に関しては来週少なくとも23日(月)までは暑さが続きます。

谷原章介キャスター:
来週月曜日までずっと曇り時々晴れみたいな状況で梅雨明けしてないの?

天達気象予報士:
梅雨明けしているように見えるんですけど、調べてみたら、何度か、6月の下旬から7月までずっと晴れ、7月に入ってからやっぱり雨が降っている、というパターンの梅雨が実は結構あります。
降るときはドカッと降るんですよ。「陽性梅雨」といって、晴れと雨がくっきりしている梅雨。
こういう梅雨が近年増えています。シトシト降る梅雨の方がむしろ少ない。
私たちも考え方を変えなきゃいけなくて、大雨と猛暑が隣り合わせのものが梅雨。「梅雨は真夏の予行練習」なんですよ。それが1週間ぐらい続くということは珍しくない。

24日(火)以降の天気・気温は?

天達気象予報士:
東京を例にして見ていくと、まだ変わる可能性はあるんですが、26日、28日に傘マークが出てきます。ただ、これも梅雨っぽい降り方じゃないと思うんですよね。どちらかというと、夏に降る、晴れて昼ぐらいからドカッと降るような夕立タイプの雨。これがもし、7月もずっと晴れるってなったら梅雨明けの可能性あるんですけど、でもやっぱり雨を挟むと思うので、おそらくまだこれは真夏のリハーサル。

なぜこんなに暑い?

天達気象予報士:
きょう17日の天気図を見ると、梅雨なのに梅雨前線が消滅してしまっている。一旦夏の空気がどんどんせり上がってきているという。湿度もきょうは高いので注意が必要になってきます。

6月17日午前5時発表

関東地方でも熱中症警戒アラートが今季初めて出ました。これ実は気温じゃなくて湿度なんです。湿度がものすごく高いと、汗が乾きづらくて体の中に熱がこもってしまうんですね。原則運動は禁止です。
ちょっとでも「あの人いつもと違うな」「何かおかしいんじゃないか」と思ったら声をかけてあげていただきたいと思います。

きょう(17日)は夜ももしかすると熱帯夜になるかもしれない。しかも、ビルやマンションとかだと、昼間これだけ晴れていますから、熱が蓄積されて部屋の中の温度が一番上がってくるのが夜の9時以降。だから寝る時に結構エアコン我慢する方が多いんですけど、きょうは我慢しない方がいいと思います。

(『サン!シャイン』2025年6月17日放送より)