<受賞作品概要②>
『最期を選ぶということ~安楽死のないこの国で~』 (2024年6月23日放送/BSフジ)
病に苦しむ人を苦痛から解放する「安楽死」。日本では合法化されておらず、患者が死を望んでも、その自死に関与すれば、たとえ医師でも自殺幇助や嘱託殺人などの罪に問われる。
一方、スイスを始め欧米など一部の国や州では安楽死が認められていて、法整備や議論が進んでいる。番組では、4人の選択を通じ安楽死、そして生死について考える。
2019年に難病ALSを患う林優里さんが薬物を投与され亡くなった「京都ALS嘱託殺人事件」。林さんはスイスでの安楽死を望んでいたが、病が進行して渡航が果たせなかった。死に関わった2人の医師は嘱託殺人などの罪に問われ、現在も裁判は続いている。
パーキンソン病で苦しみ続け、安楽死を望んでいた良子さん。「十分に人生を楽しんだ。早く痛みから解放されたい」と、迷いなくスイスへの準備を進めていた良子さんとは、ある日を境に連絡が取れなくなっていたが、1通の手紙がスイスから届き…。
“命の決断”をした4人家族の母、マユミさん。3年前からがんが転移と再発を繰り返し全身へ。その耐えがたい痛みが脳にまで達したときに、彼女はスイスでの安楽死を決断した。迎えた最期のとき。ベッドの傍らの夫、そしてテレビ電話で娘たちが見守るなか、マユミさんは…。
難病に苦しむ矢島さんは「なぜ安楽死を希望するのか」を、スイスへの書類に黙々とつづり投函して、ポストに「よろしく」と語りかける…。安楽死が認められていない日本で、私たちはこの問題にどう向き合っていけばいいのか?“死”に救いを求める人々、そして家族の葛藤を綴る。
語り:余 貴美子
ディレクター・撮影:山本将寛
構成:石井成和
編集:宮島亜紀
プロデューサー:西村朗、濱潤
制作著作:フジテレビジョン
公式HP:https://www.bsfuji.tv/sunday-documentary/saigooerabu/pub/001.html