<受賞作品概要①>
『ザ・ノンフィクション 私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~』 (2024年6月2日放送)


子宮頸がんの診断を受けたマユミさん。抗がん剤治療などを尽くしてきたものの、がんは再発を繰り返し、全身に広がっていった。耐えがたい苦痛の中で、彼女はスイスでの「安楽死」について考える。
日本では認められていない選択肢であったが、悩み抜いた末、マユミさんはスイスへ渡ることを決断。母の決断に対し、病と闘う母の姿を見てきた高校3年生の長女は理解を示すものの、小学6年生の次女は…。
そして、人生を連れ添ってきた夫のマコトさんは、当初は戸惑いながらも、その決断を受け入れた。迎えた人生最期の日。生きることと死ぬこと。自ら人生の幕引きを決めた母の決断に向きあった家族の記録である。
語り:清原果耶
ディレクター:山本将寛
構成:石井成和
編集:宮島亜紀
プロデューサー:西村朗、濱潤
チーフプロデューサー:西村陽次郎
(敬称略)
制作著作:フジテレビジョン
公式HP:https://www.fujitv.co.jp/thenonfx/_basic/backnumber/index-228.html
<西村陽次郎(チーフプロデューサー)コメント>
受賞作はTVerの見逃し配信で、報道・ドキュメンタリー部門の歴代最高記録を大きく更新する、73万回(8日間)を記録するなど、日本国内でも大きな反響を呼びました。
山本ディレクターの渾身(こんしん)の取材と、放送にいたるまでにさまざまな議論を乗り越えた本作が、世界でも高い評価を受けたこと、番組としては11年ぶりとなる金賞、7年連続の受賞と、誇らしい出来事を胸に刻み、引き続き世界に通じる魅力的なドキュメンタリーを制作していきたいと思います。
<山本将寛(ディレクター)コメント>
本作は、決して「安楽死」に限った話ではありません。「自分はこれからどう生きたいのか?」、私自身そんな根源的な問いを突きつけられた取材でもありました。
勇気を持って取材に協力してくださった方々は、命と真剣に懸命に向き合っていました。“生と死”は地続きのイシューとして常に我々の目の前に立ちはだかります。だからこそ、このドキュメンタリーに触れた方が、“最期”を自分ごととして考え、話すきっかけをもらえたらという思いを込めて制作しました。
私がそうであったように、より良く生きるヒントを少しでも見つけてもらえていたら、本望です。