2025年5月21日、党首討論の中で、「コメは3000円台でなければならないと思っております。4000円台などということはあってはならない。それは一日でも早くその価格を実現する」と発言した石破茂首相。

しかし、今週発表されたスーパーでのコメ5kgあたりの平均価格は4268円で最高値を更新。

値下がりを期待して放出された備蓄米は、3月に21万t あまりが落札されましたが、1カ月がたち、消費の現場に届いたのは、わずか10%ほどにとどまっています。

そんな中、「コメを買ったことがない」などの失言で辞任した江藤前農水相の後任として就任した小泉進次郎新農水相は、就任会見で「今、最も力を入れなければならないのはコメ。とにかくもう、コメに尽きると思っています」と述べ、さらに、備蓄米の入札を一時中止、随意契約に切り替えることで、価格抑制を目指す考えを強調しました。

小泉進次郎農水相:
中長期的な、これからのコメ政策の在り方、そしてまた最終的に仮に余った時にどうするのか、輸出や米粉を含めて新たな需要の開拓。さらに農家の皆さんに対するセーフティネットの在り方、こういったことを農林水産省全体として考えて取り組んでいきたいと思います。
就任早々、難問の解決を任されることとなった小泉氏。今後について専門家は…。

政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏:
米の価格は下がる方向になるだろう。農業政策の分野での経験、そして発信力の高さに期待する。

流通経済研究所 主席研究員 折笠俊輔氏:
進次郎氏本人だけではなく、周りをどう動かせるかにも注目したい。
小泉新農水相 日米関税交渉にも期待か?
スペシャルキャスター 杉村太蔵:
(小泉氏が)いきなりいろんなことをやり始めていますが、ただ、総理が「コメは3000円台でなければならない、4000円はあってはならない」って、消費者からはうれしい言葉なんですけど、投資家目線で、生産者の立場になると、「え!? 俺たちのコメの価格これが上限なの?」って。
また、もうひとつ新たな論点というか、随意契約と言ったら、政府があなたの企業に売りますと、(金額を)決めるわけで、それの公平性はどこにあるのかとか、いろんな論点がある現状だなと。

MC谷原章介:
ただ、元々国が仕入れたお米を競争入札でやった場合、仕入れた額よりはかなり高く売られている。だからこそ国がもうけている面もあるし、消費者には高く届いてしまう問題もあったじゃないですか?
キヤノングローバル戦略研究所 峯村健司氏:
そういう意味では今回の随意契約というのはひとつの考え方ですし、私はやはりコメ行政が破綻しているということだと思いますので、小泉大臣には改革して切り込んでほしいと思いますよね。

作家 遙洋子氏:
ワクワクしますよね、見ていると。インタビューの時のどれくらいお米を食べているかに「パックで食べてます」その微妙なずれ感もすごいワクワクする。いいですよね、彼らしくて。それと早速行動したということが、なんかこう切り込むぞという姿勢がすごく現れていていいなと。…期待しているの私だけですか?
スペシャルキャスター 杉村太蔵:
僕も期待していますし、きのう思わず「頑張ってください」ってメッセージを打とうとしたんですけど、ちょっと遠慮しちゃいました。相当忙しそうだから。
確かにワクワクするんだけど、「コメ担当大臣」っておっしゃったじゃないですか、いやあの言葉ね…農林水産行政ってもちろん今コメ価格の高騰は大変なんですけど、ものすごく多岐にわたっていて…、後継者不足は農業水産林業、全産業に影響しているし、補助金に依存している構造もあれば、災害でこれまでと違った農業のやり方、持続性が難しいと言われているところもあるので、農林水産委員会ではいろんな議論が出ていますので、コメだけに集中するというコメントが…。

MC谷原章介:
そんな揚げ足とらないでくださいよ、今はコメだって。
やっぱりバランス良く見ていきたいですよ、やはり生産者も大事だし、消費者も大事だし。石破さんが3000円台というのは結局あと300円くらい下がったら3000円台になるわけだからそれはクリアできるのでは?
スペシャルキャスター 杉村太蔵:
あともう1個、小泉進次郎氏が農林水産大臣になりました、アメリカの関税交渉に影響してきませんか?

キヤノングローバル戦略研究所 峯村健司氏:
めちゃくちゃ影響してきて、実はこの間ワシントンにいって、トランプ政権の幹部に何が日本から欲しいんだと言ったら、最初がまずコメと言ってきました。
ベッセント財務長官がコメにこだわりがあるらしいんです。その頃、小泉進次郎さんもワシントンにいて私も何度か意見交換をしたんですが、ちょうど赤沢大臣がいらっしゃるときでアドバイスをしたそうなんです。という意味では、今回、農水省はあまり動かないんです、コメはディールしたくないと、そこをうまく交渉に乗っけられれば、日米交渉も打開できるかも知れない。
MC谷原章介:
それはもう緊急的に、今回だけ需要に対して、供給量を増やすためにドンと輸入するということはあり得る?
キヤノングローバル戦略研究所 峯村健司氏:
Win-Winになりますよね、日本は足りていないと、でアメリカは売りたい。例えば暫定的に2年間、3年間というのはありだと思います。

スペシャルキャスター 杉村太蔵:
例えば、日本のお米が5kg4500円です、アメリカから輸入されたお米が5kg3500円です、日本の消費者はアメリカのコメ買いますかね?
作家 遙洋子氏:
それは、今ないんだから、高いんだから買わなきゃ仕方ないじゃないですか。多少味が落ちる可能性を含んでいたとしても、背に腹は代えられない。
MC谷原章介:
やはり、今後一時的なモノを乗り越えるためということと、恒久的な農政の在り方は分けて考えた方がいいかもしれませんね。
(『サン!シャイン』 2025年5月22日放送より)