いても立ってもいられなくなった万理子は「私を身代わりにしてください」とお寺でお百度参りし、千明の無事を祈る。

一方、咳き込む千明の部屋の前では、和平が語りかけていた。

「どんな形であれ、ずっと一緒に生きていくんでしょ、私とあなたは」

いつものツッコミもつかの間、病身も相まって、千明はふすま越しに孤独と恐怖に震える。和平は「ずっとここにいるから」と言って、彼女の心をそっとなぐさめた。

2025年も変わらない千明(小泉今日子)と和平(中井貴一)らのにぎやかな朝食

2025年現在。長倉家はすっかり日常を取り戻していた。

朝から和平は鎌倉の海を散策して桜貝を拾う。それは彼の亡き妻が好きだった貝だ。

和平がカフェ「ナガクラ」に戻ると、真平、えりなはもちろん、万理子、千明、典子も集まってきて、真平が朝食を振る舞う。

話題は和平が千明にプレゼントした、日めくりカレンダー。そこには還暦までの日数がカウントダウンされている。千明は、それがメイクをしているときに目に入ると気にかかる様子。しかも、和平が千明のヘアスタイルに言及して火に油。

弁明するなか、万理子は和平の女性観を作ったであろう、「ある事件」について明かす。それは和平が中学生時代、母にエロ本が見つかり、“7時間問い詰められて号泣した事件”のことだった。

興味津々の千明だが、えりなの一声でタイムアップに。

慌ただしい出勤時間、千明たちが江ノ電に乗り込んだ姿を見つめる男が。それは医師の成瀬千次(三浦友和)。成瀬は、千明の姿を見て呆然としていた…。