その頃、鎌倉の海。
海に流れ着くものでアートを作る海ゴミアートクリエイターで、和平と亡き妻の娘・長倉えりな(白本彩奈)は、海岸の漂流物に「ようこそ、鎌倉へ」と微笑みかける。彼女は美大を卒業して、実家に戻ってきていたのだ。

ところ変わって、和平の妹で長倉家の長女・水谷典子(飯島直子)は自宅に1人。専業主婦の彼女はすでに手を離れた息子と、帰宅しない夫にスマホでメッセージを送るも返信は皆無。ダラダラと退屈な毎日を過ごしている。
そして、鎌倉のカフェ「ナガクラ」は相変わらずの大盛況。和平の弟で長倉家の次男・長倉真平(坂口憲二)が店長、えりなもスタッフとして笑顔で切り盛りしている。
観光客の対応に追われる和平(中井貴一)と若いスタッフに白い目で見られる千明(小泉今日子)
そこに忙しなくやってきた和平。真平特製の「しらすカレー」を頬張る隙もなく、スマホにトラブルによる呼び出しが飛び込んできた。
現地に到着した和平が見たのはオーバーツーリズムの実態。名作アニメの聖地に観光客が多数集結している。
近隣の迷惑となっている彼らだが、注意しようにも言葉は通じず、和平は中国語の話せるスタッフが足りないことを嘆くほかない。

千明の手掛けるドラマ『サレ妻同盟』シーズン7のスタッフルームは沸いていた。
千明の後輩プロデューサー・飯田ゆかり(広山詞葉)が手掛けた映画が映画祭の最優秀作品賞を受賞。
千明は花束を贈り、祝賀会用に軍資金を渡して「楽しんできてね!」と言うものの、若いスタッフの佐久間(上川周作)からは「終わりにしましょう、そういうの、先輩で」と白い目で見られてしまう。