さまざまな細菌やウイルス、寄生虫が病原体である感染症の総称である「感染性胃腸炎」

例年2月頃になると減少する患者数が、今シーズンは2025年2月23日までの一週間で急増。患者数は過去10年で、この時期としては最多となっています。

9日、東京・港区の「五良会クリニック白金高輪」には、下痢や嘔吐などの症状を訴える患者が多く訪れていました。

患者の母親:
1回だけ大きく吐いて、そのあとは小さな唾液をぺっぺと吐いていて。6時半ぐらいに頭が
痛くて起きちゃって、そのあとおう吐が一回あって。

診断結果は「感染性胃腸炎」。
ノロウイルスや細菌などに感染し、吐き気や腹痛、下痢などの症状がみられるといいます。

医療法人社団五良会 五藤良将理事長:
12月、1月、2月は特に例年よりも感染性胃腸炎が多かったなって印象がありますね。

なかには、家族全員が胃腸炎にかかってしまったという一家も。
静岡県在住の4人家族。2月28日に0歳の次男がおう吐してから、翌日には39歳の母親が。
3月3日には、11歳の長男が38℃の発熱し、4日には39歳の父親も「感染症胃腸炎」と診断されました。

現在は回復傾向にあるものの、軽い腹痛と下痢が続いているといいます。最初にかかった0歳の次男の感染経路は不明です。

母親(39):
一人ずつなっていくのが本当にしんどくて、まさか自分の家でこんなふうになるとはっていう感じでしたね。次男は保育園に行っていないため、商業施設のトイレなどでおむつを替える時に感染したのかもしれません。

なぜ今、感染性胃腸炎が流行しているのか、感染を防ぐための対策とは?専門家に詳しく聞きました。

トイレでのスマホ操作に注意!

五藤理事長によると、「感染性胃腸炎」が増加している理由として、2月に入っても寒い時期が長引き、さらに2月17日には最高気温15.5℃だったのに対して、2月20日には最低気温が-1.0℃まで下がるなど寒暖差が激しかったため、免疫力が下がっていることが挙げられるといいます。

冬に「感染性胃腸炎」が流行する原因の7~9割が、「ノロウイルス」です。
ノロウイルスは手指や食器などを介して、口から体に入り感染、ヒトの腸管で増殖します。

五藤理事長によると、特にトイレでのスマートフォンの使用は注意が必要だといいます。

トイレの中でスマホを使用した際、スマホの表面にウイルスが付着。
トイレを出る際に手はしっかり洗い消毒されますが、スマホの消毒を行うことはほとんどないため、その後、食事中にスマホを使うと感染リスクが高まる恐れがあるのです。
会社や商業施設などの共同トイレは特に注意が必要です。

医療法人社団五良会 五藤良将理事長:
トイレの中で便座などに触れた後に、その手でスマートフォンに触れるとウイルスが付着したままになるんですね。トイレの後に手は洗うと思いますが、スマートフォンは洗わないと思うので、付着したウイルスが再びその後手について、食事などをしてノロウイルスに感染してしまう可能性があるので注意が必要だと思います。

スマートフォンは精密機械のため、消毒は困難です。
通常のアルコールスプレーなどは、ノロウイルスに対して効果が薄く、一般にあまり流通していないアルコールが80%以上のものは、精密機械には適しません。

スマホを消毒するよりも「手洗いをすることが重要」で、手指の消毒は、石けんでしっかり手を洗いウイルスを洗い流すことが大切です。

医療法人社団五良会 五藤良将理事長:
やはり、アルコールは効きづらいし、次亜塩素酸などは有効なのですが物理的にしっかりとせっけんでもみあらい、そしてたくさんの水で洗い流してウイルスを除去することが大事だと思います。

(『めざまし8』 2025年3月10日放送より)