止まらぬ値上げの波は身近なコーヒーにも押し寄せています。
2024年5月8日、めざまし8は東京・神保町にある「自家焙煎カフェ 豆香房」を取材。この店では世界各国の約40種類のコーヒー豆を取りそろえています。
しかし、このコーヒーもここ数年で価格が高騰したといいます。
自家製焙煎カフェ豆香房 田村保之代表:
じわじわと上がっているんですけども、価格の修正というか改定を行ってきています。
コーヒー豆の高騰に伴い人気の「日替わりコーヒー」は4年半ほど前と比べて40円値上げしたといいます。
高騰の背景にはコーヒー豆の産地ブラジルやベトナムを襲った異常気象が…。
さらに中国でのドリアンブームが影響しているというんです。
また、高騰しているのはコーヒーだけではありません。コーヒー、そしてカカオ、さらに、オレンジまでもが高騰。
身近な品の値上げはいつまで続くのでしょうか?
「めざまし8」スタジオでは、楽天証券経済研究所コモディティアナリスト吉田哲さんに解説していただきました。
国際コーヒー機構による「コーヒー豆価格の推移」を見てみると…
4月のコーヒー豆の国際価格は、インスタントコーヒー向けに使われる「ロブスタ種」のコーヒー豆(生産地ベトナムなど)が1ポンド(約450g)当たり1.94ドルと、前月比16.8%上昇。45年ぶりの高水準となっています。
また、世界で最も多く栽培されているブラジル産の「アラビカ種」も2.19ドルと高値で推移しています。
これに伴い、UCC上島珈琲は家庭用レギュラーコーヒー54品目を7月1日出荷分から、そして、大型ペットボトルの飲料9品目を9月2日出荷分から値上げすると発表。
UCCゴールドスペシャル炒り豆スペシャルブレンドAP(250g)は店頭想定価格648円から798円(*税抜き)に引き上がります。
セブン―イレブンは3月4日からレジ横で提供するセルフ式のドリップコーヒー「セブンカフェ」のコーヒーの2品目を値上げしています。
レギュラーサイズ(ホット・アイス)102円から10円値上げして112円(*税抜き)となっています。 セブンカフェのコーヒーは、2022年7月以来2度目の値上げとなります。
喫茶店も厳しい状況に置かれています。
帝国データバンクによると近年の喫茶店の倒産件数は、
2020年は68件で、これはコロナの影響でした。
2021年は49件、2022年34件と倒産件数は減っていったのですが…
2023年は過去最多でコロナ渦を上回る72件。
コーヒー豆の高騰で仕入れ価格が上昇する中、販売価格への反映ができず、カフェの倒産が急増してしまっている状況です。
楽天証券経済研究所コモディティアナリスト吉田哲氏:
倒産はコーヒー豆の影響であると考えられ、原材料価格が上がることによって、末端価格を上げざるを得ないという状況が進んでいると思います。
鈴木おさむ氏:
僕、すごい安めの居酒屋をやっているんですけど、同じような値段設定をしているところが、今値上がりが色々激しいじゃないですか。ちょっと値上げをしたら、お客さんがリアルに2割減っているんですよね。
コロナ渦の時に結構周りの居酒屋が潰れたんですよ。でようやく(コロナ渦が)過ぎて、みんなで頑張ろうってやっていったら、今度値上げで(値段を)上げると、お客さんがわかりやすく減るんですよ。だから、思っているよりもシビアなんですよね。
MC谷原章介:
そんなに高級じゃなくて、高い値段とってなくても大きい影響出るんですね。
鈴木おさむ氏:
高級じゃないからこそじゃないですか。みなさんに近いからこそ、値段が50円100円がすごく響いて。
売り上げがどんどん減っていって、みんな本当に悩んでると思います。人件費も上がるし、光熱費も家賃も上がるじゃないですか。うちは居酒屋ですけど、喫茶店はほんとに大変だと思いますよ。
高騰の背景はエルニーニョ現象によるところも大きいといいます。
2023年エルニーニョ現象の発生で、南米ペルー沖の海水温が上昇し、生産地の天候不順に影響を及ぼしました。
コーヒーの大原産国ブラジルやベトナムでも、異常気象による生産量の減少が起き、そこに歴史的な円安が追い打ちをかけ、コーヒー豆の高騰が止まらなくなっているのです。
さらに、最近言われているもう一つの要因が、中国のあるブームの影響です。
中国の〝悪魔の果物〟ブームの影響も…
悪魔の果物と異名を持つ「ドリアン」が近年は中国で大人気となっています。
実は今、コーヒー豆生産量が世界2位のベトナムで、ドリアンの栽培と中国輸出のブームが起きています。
楽天証券経済研究所コモディティアナリスト 吉田哲氏:
実際に今ベトナムでは、2021年に比べると生産量が減っているんですね。2021年比でいうと、13%ほど減っています。生産量が減ると言うことは、受給が引き締まって価格が上がるということで、まさに今価格が上がってきているという状況です。
コーヒー豆高騰の背景は、異常気象による不作で生産量が減っていることと、嗜好品を求める人口増加などが重なり、投資マネーの流入を招き、価格高騰しているといいます。
MC谷原章介:
これ、価格上昇はいつまでつづきますか?
楽天証券経済研究所コモディティアナリスト 吉田哲氏:
今現在価格を上げている条件が変わらなければ、まだまだ価格の上昇が続く可能性があると思われます。異常気象を止めることは難しく、嗜好品の需要が増加している流れを止めることも難しいです。つまり、価格の上昇がまだ続く可能性があります。少なくとも、年内ぐらいの高止まり、高い水準はまだ続くと考えられます。
(『めざまし8』 2024年5月9日放送より)
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