旅行サイトで和歌山県の人気No.1観光スポットにも選ばれている、白浜町の「アドベンチャーワールド」。中でも絶大な人気を誇るのが、4頭の「ジャイアントパンダ」です。

しかし、この4頭全てを2025年6月末ごろに中国に返還することが、4月24日に突然発表されたのです。

週末のアドベンチャーワールドには、返還前に一目パンダを見たい!という人が多く訪れていました。

来園者:
7月から、どうしたらいいんだろうっていう感じですね。

来園者:
(パンダに)「こっち見て!」「大好き!」って言っていましたね。

影響は、アドベンチャーワールドのみにとどまりません。
町の至る所にパンダが描かれ、年間観光客数は住民の150倍の300万人にものぼるという「パンダのまち」和歌山県白浜町。

地元住民も「白浜町にはパンダは絶対に必要」と話しますが、観光関係の仕事をしている人は、より頭を抱える事態に…。

白浜古賀の井リゾート&スパ 森裕介総支配人代理:
お土産物もパンダのお土産物が非常に多いですから、やはりその売上げの減収の対策、それと商品がガラッとなくなる可能性がありますので…。

丸双蒲鉾店 岡本優子店長:
白浜に来られる方が、観光客の方が減るんじゃないかって、それが一番の心配ですよね。白浜全体の問題だと思うので、どうにかしてほしいです。

白浜で35年のタクシー運転手:
もうお客さんがほとんどパンダ目当てやもんね。(売上が)5割できかないぐらい減るんちゃいますか。

観光協会によると、白浜町に訪れる観光客のうち2割が「パンダ目的」で、観光客1人あたりが使う金額が、平均で2万5000円ほど。
第一生命経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣氏によると、パンダがいなくなることで起きる経済的損失は約150億円になるという試算もあるといいます。
来年には国内のパンダ0頭の危機?
日本国内のパンダは全て、繁殖目的で中国から貸し出されており、日本国内で生まれたパンダの所有権も中国にあります。

現在、日本国内には6頭のパンダがいますが、実は、東京の上野動物園にいる残り2頭も、2026年2月返還期限を迎えてしまいます。

そんな中、4月21日には、茨城県と中国・陝西省が「ジャイアントパンダの保護などで交流を深めていく」と発表。茨城県の他にも、仙台市などがパンダの誘致活動に乗り出してはいるものの、来日がいつ決定するかは不明な状況です。

しかし、上野動物園の前園長で日本パンダ保護協会会長の土居利光氏は、「希望的な観測はある」とした上で、2023年に米国が3頭返還した際には、翌年に2頭貸与されたことから、「日本もすぐに次のパンダが来る可能性がある」といいます。

日本パンダ保護協会 土居利光会長:
中国の方々にとっても、メリットはあるはずなんです。やはりパンダというのはいいイメージを持っていますし、野生動物の研究を一緒にやるということは大事なことだと思うんです。これは世界的にやっていかなくてはいけない課題ですので。パンダに限らず。
そういうのは、お互いに協力して研究していくべきだと思うんですね。ですから、そういう意味では、日本に来てもおかしくないと思うし、向こうの方もそう考えていると思います。

MC谷原章介:
じゃあパンダがいない間、カズさんちょっとゆるキャラ的な着ぐるみとかで、パンダのロスを埋めてくれるようなキャラクターが作れないかね。

スペシャルキャスター カズレーザー:
いやいや、そもそも他の動物がいますから!パンダ人気はすごすぎると思いますけど。
かわいい動物いっぱいいますよ、ハイエナとかも黒くて目がくりっとしてめちゃめちゃかわいいですよハイエナって。あごも強いですし。
コアラも体重量るときに、偽物の木に抱きつかせたりして、めっちゃかわいいですよ。

渡辺和洋アナウンサー:
政治とは切り離して考えたいところですが、「パンダ外交」という言葉もあるくらいですから、日本と中国の関係を考えると今後どうなっていくのかは引き続き注目ですね。
(『サン!シャイン』 2025年4月28日放送より)