身近な“トラブル”に対応する業者が、消費者に対し高額な金額を請求する、いわゆる「レスキュー商法」の被害が急増しています。
なかでも、害虫・害獣駆除サビースに関する相談件数が増えており、国民生活センターによると、相談件数は2023年度には2290件と、前年の1612件から約1.5倍に。年代別では10代から20代の若い世代の相談件数が2.6倍に増加しています。
「めざまし8」は、広告表示を大幅に上回る料金を請求されたと訴える人を取材しました。
スズメバチ駆除に100万円?即決なら30万円
軒下にできた巨大なスズメバチの巣の駆除を依頼したという男性。
ハチの巣の駆除で30万円を提示された男性:
自宅の2階の軒下にスズメバチの巣ができていたということで、見たら結構な大きさで、もう手も届かなかったものですから、インターネットで検索をして出てきた駆除業者さんに電話をしました。
ネットで検索して、すぐに出てきた業者に依頼しましたが…。
ハチの巣の駆除で30万円を提示された男性:
ハチの巣を見て、開口一番「これはやばいですね」みたいな。「100万円ぐらいかかってもおかしくない」というような話があって。
47万円というような記載の見積もりをいただいて、その後に「今即決してもらえれば、30万までは落とせます」というような説明でした。とにかくもう早く決断させようというような意図は感じましたね。「今決めないともっとお金がかかります」っていうような、たたみかけるような感じはありました。
せかすように、100万円から、即決すれば30万円まで値引きすると男性に持ちかけたという駆除業者。
ハチの巣の駆除で30万円を提示された男性:
ハチの巣を取るのにそんなにお金がかかるのかって。見積もりが結構いい加減っていうか信ぴょう性がなくて、根拠とか説得力が全然そもそもあんまり感じられなかった。
男性は信用できず、駆除の依頼を断ったといいます。
このような、詳細な説明がない上での高額請求に対して、消費トラブルに詳しい御池総合法律事務所の志部淳之介 弁護士は…。
消費者トラブルに詳しい 志部淳之介 弁護士:
(害虫に)焦ってしまって、スマホで検索するととても安い表示が出て、それを見て電話をして業者に来てもらうんですが、業者は来た時にいくらかかるか、っていうのを実際には教えてくれません。
で、作業が終わってから「実際には10万円です」っていうことを言われたりして、で、断りきれずに払わざるを得ない状況にあると。
トイレ修理で50万円請求も断れず
害虫駆除に関するトラブルの他に、国民生活センターに寄せられた相談の中には、修理業者から高額請求されたケースもありました。
【トイレの修理に関するトラブル事例】
夜に自宅マンションのトイレが詰まってしまった相談者の女性は、インターネット広告に「料金390円から」と記載された事業者に修理をお願いしたいと電話。
男性2人の作業員が到着し高圧ポンプで10分程作業するも、直らないので「便器を外して排水管を確認する。(追加の作業で)3万円かかる」と言われ女性は仕方なく了承。
作業員はさらに「こんなにひどいのは初めてだ。追加で20万円前後かかる」「詰まり再発防止のため、薬剤と特殊な機械による清掃で15万円かかる」といいます。
女性は驚いたものの、他の部屋の住民に迷惑をかけられないと了承、最終的な請求額は55万円にものぼりました。
「現金で支払えば50万円に値引く」といわれ、女性は少しでも安くできればとATMで現金をおろし、業者に支払ってしまいました。
――優良な事業者とそうでない事業者を見分けるポイントはあるのでしょうか?
消費者トラブルに詳しい 志部淳之介 弁護士:
まず、ネットで検索をして一番上に上がってくる業者というのが本当に良い業者なのかどうかは、慎重に検討いただく必要があります。安心できるのは、地域の組合に登録している業者を検索してそこを選んでもらう方がいいと思います。
――適正価格がわからないときには?
価格なんですけども、適正価格を見分けるというより、適正ではない価格を見分けるポイントがいくつかあって、例えば300円から1000円からというのは、なかなか普通に考えてその値段でやるというのは業者として難しいはずなので、安すぎる値段にはご注意を。また、いきなり金額を値下げして、半額になるとかと言うのも怪しいです。
さらに、来たときに強引に現金でその場で払ってくださいというのも、業者としてはおかしいと思います。
もし被害に遭ったらどうすればいいのか?
志部弁護士によると、「188(いやや)」の消費者ホットラインや、地域の消費生活センターに相談をする、電話がつながらない時間の場合は、その場で支払わず、「手持ちがない」など理由を付けて請求書を業者から受け取り、改めてつながる時間に連絡を行ってください。
契約書面を受け取った日から8日間以内であれば、クーリグオフ制度もあるので、一人で抱え込まず、第三者に相談することが大切です。
(『めざまし8』 2024年4月25日放送より)
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