太陽は、雨に背中を押されて、千秋に自分の気持ちを伝えようとする。だが、上手く話せないでいると、千秋からこれまでの人生を教えてほしい、と頼まれた。

そこで太陽は、母を死なせてしまったこと、赤い色が見えないことがわかり花火師になれないと落ち込んだこと、そんな自分にもう一度頑張ろうと思える力をくれたのが雨だったことを伝える。続けて太陽は、もし天国で母に会ったら「ごめんなさい」と伝えてほしいと千秋に頼んだ。

千秋はそれを引き受けると、その代わりに「見たい景色がある」と言いだす。

五感を失った後のことを考えて怖くなった雨は、日下を呼び出し、「私のこと、死なせてください」と頼む。日下は、案内人は奇跡を見届けるだけだからそれはできない、と断りながらも、かつて自分も同じような思いを抱いたことがある、と言って自らの生い立ちを話し始めた。

1953年に東京に生まれた日下は、映画の脚本家を目指していた。そんな中、日下は白石小夜子という画家を目指していた女性と出逢い、恋に落ちる。

しかし20歳のとき、小夜子は事故に遭って瀕死の重傷を負ったという。そのとき、病院に向かった日下の前に案内人が現れ、小夜子が負ったケガを日下が引き受ければ彼女を助けることができる、と持ちかけられたらしい。

小夜子に画家になる夢を叶えてほしいと願った日下は、その奇跡を受け入れた。だが、後遺症もなく目を覚ました小夜子は、「私は画家になりたい。だからあなたを支えることができない」という手紙を残して姿を消してしまったのだった。