<白洲迅 コメント>

興梠侑誠(白洲迅)

ロギー(興梠)にとって「救う」とは、なんでもやってあげることではないと思うんです。最終的には、その人自身が自分の力で立てるようになることまでが「救う」ということなのかなと。

一見ドライに見えることもあるけど、相手との距離感を保ち、必要なところは相手に委ねることも、救いの一つ。ウズメにも、かなり無茶なことをさせますよね。引きこもっていた人に、いきなり不倫相手の代役をやらせるなんて、かなりの荒療治です(笑)。

でも、ロギーのなかには「この人ならできる」という判断があるはずですし、なにかあれば絶対に助けるという覚悟もあると思います。なんでも「やってあげますよ」というのは、実は相手にとって一番ひどいことなのかもしれません。ロギーには、そう考えるに至った経験があるのだと思います。

左から)町田奈央(鈴木結乃)、興梠侑誠(白洲迅)

イモトさんと共演して感じたのは、お芝居にとても誠実に向き合われているということです。ギリギリまで台本を確認されていたり、心のメモ帳のような小さなメモ帳を忍ばせていたり。

今回の作品に、真面目にひたむきに向き合おうとされている姿が、とても印象的でした。こんな時代に、あえてアナログなメモ帳を使っている姿が、僕にはすごく響いたんですよね。

田村ウズメ(イモトアヤコ)

ロギーは「本音が見えない系男子」と表現できるキャラクター。僕もそう見られることが多いので、そういう意味では似ているのかもしれません。ただ、中身は全然違います(笑)。

僕はポーカーフェイス風を装っているだけで、ロギーのような余裕はまったくないです。人とおしゃべりするのは好きですが、ロギーのように人を手のひらの上で転がすこともできません。

日々、一生懸命わたわたしていますし、ドキドキもしています。仲良くなると、余裕のなさが顔にも出てしまうんですよね。

だから、ロギーのような男性には憧れます。余裕があって、ユーモアもあって、誰も傷つけない。ああいう人こそ、幸せになってほしいなと思います。

撮影に協力していただいた「便利屋さん」に、実際のお仕事についてお話をうかがう機会をいただきました。駐車場の草むしりの見積もりや、賃貸物件に残されたものの整理・処分など、リアルな仕事の実態を知りました。

なかには、自分が車をぶつけた相手への謝罪につき添ってほしいという依頼も。いざ謝りに行くと「この人のせいなんです」と言い出したとか。ドラマのような話が本当にあるんだなと驚きました。

また、印象に残ったのは人との距離感の大切さです。近づきすぎると次々と頼まれ、仕事として難しくなることもあるそうです。相手に近づきすぎず、離れすぎず、適切な距離を保つことは、ロギーの考え方にも通じるものがありました。

左から)小田切舞(大原梓)、興梠侑誠(白洲迅)、鮫島奏(柴野晃太朗)

以前に比べて、台本に書き込むことは少なくなりました。その代わり、役を演じるうえで気をつけたいことや、発見したことをスマホのメモにまとめています。なので、台本自体は真っさらですね。逆に舞台の台本は、書き込む余地がなくなるくらい、びっしり書き込むこともあります。

映像のお芝居も事前の準備は大切ですが、舞台とは違い、その場その場での瞬発力が求められると思うんです。なので、あまり自分のなかで決めつけず、現場で生まれるものや、そのときに感じたことを大切にしたい。最近は、そんなふうに映像のお芝居を作っています。演じるうえでの根本的な部分は、舞台でも映像でも変わらないんですけどね。

家族ができて変わった「仕事への覚悟」

人生のタイミングもあると思いますが、家族の存在はすごく大きいです。子どもができたことで、自分の親への感謝も深まり、これまでどれだけ支えてもらっていたのか、今も支えられているんだなと改めて感じています。

親になって、仕事への覚悟も変わりました。考え方がシンプルになった気がします。先輩の役者さんからも「子どもができてから、仕事がうまくいくようになった」とよく聞いていましたが、以前はその意味がわかりませんでした。自分が親になって、少しわかるようになった気がします。