あのさんが、先週に続き『ザ・ノンフィクション』の“語り”を担当します。

あのさんは『ザ・ノンフィクション「今晩 泊めてください~ボクと知らない誰かのおうち~ 後編」』(10月15日14時~/フジテレビ※関東ローカル)で、見知らぬ人の家を泊まり歩く男性の物語を読みます。

「今晩泊めてください」というボードを掲げて街中に立つ、シュラフ石田さん。仕事を辞め、見ず知らずの人の家に泊まり続けて4年、今では「死ぬまでこれを続けたい」と考えるようになりました。

一方、かつて石田さんを泊めた“家主”さんのなかには、石田さんの再訪を待っている人たちがいます。

需要と供給のようにも思える不思議な関係に、カメラが迫ります。

あのさんは、長編のドキュメンタリーのナレーションは初挑戦ながら、よどみない読みで物語に彩りを添えました。収録後に、感想などを聞きました。

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「死ぬまで人の家を泊まり歩きたい」とこだわる理由

今夜も一夜限りの宿を借りながら、出会った人の人生に耳を傾ける…。

リュック一つで全国をさすらい、夕方になると街角で「今晩泊めてください」と書かれたボードを掲げるシュラフ石田さん(32)。

なぜか、泊めてくれる人は毎日のように現れ、夕食をごちそうになったり、過去の話を聞かせてもらったりと、一期一会の出会いを楽しんでいます。

この生活を始めて4年。石田さんは泊めてくれる人を「家主さん」と呼び、これまでに300軒以上の家を泊まり歩いてきました。

「死ぬまで人の家を泊まり歩きたい」という石田さんが、今の生活にこだわる理由が垣間見えたのは、街頭に立つのが難しい雨の日のこと。

その後、石田さんが訪ねたのは、1週間前に泊まった20代女性の部屋。一緒に食事をし、マンガや音楽などの他愛のない話をしながら過ごします。彼女は「孤独で乗り越えられない夜」に、石田さんが隣にいることで救われるといいます。

石田さんもまた、自分が必要とされることを心地よく感じているのです。

ある夜、8時を過ぎても“家主”が見つからない石田さんが向かったのは、以前宿泊したことのある80代の女性の家。ひとり暮らしの女性は、いつ来るとも知れない石田さんのために、ビールを冷やして待っていました。

自由気ままに生きる男性と、彼を受け入れる人々の一期一会では終わらない不思議な関係。このつながりの先にあるものとは…。

<あの インタビュー>

<インタビュー前半はこちら>

――石田さんのように、毎日、他人の家を泊まり歩くことは「ありえない」と話していましたが、共感できるところ、いいなと感じるところはありましたか?

いろんな人の話を聞けたり、自分じゃない人のことを知ることができたりするのはいいなぁと思いました。でも、それを石田さんはどこで生かすのかな、とは思いました。

毎日インプットは増えるけど、どうアウトプットしていくんだろうって。YouTubeで出すのかもしれないですけど、そこはちょっと気になりました。

――石田さんが「家主さん」と呼ぶ、「石田さんを泊める人たち」についてはどう感じましたか?

何度も石田さんを泊めたという教師をしている男性は、(石田さんが泊まってくれることを)「求めている」と言っていましたし、「コスパがいい」と言っていた女性も、(後半に登場する)おばあちゃんも、なんとなく寂しくて泊まってほしいように感じましたけど、ぼくには考えられないことだったので、みんなやさしいなぁ、と感じました。

石田さんのためでも、自分のためでもあるのかもしれないですけど、あんまり理解ができなかった。

教師の男性は、石田さんとお酒を飲みながら熱い話をしていましたけど、ぼくはめっちゃドライな人間なんで、あの行動力がわからなくて、「なんで泊めるんだろう…」と思ってしまいました。

――もし、泊まるところがなくて困っている石田さんに遭遇したらどうしますか?

スルーしちゃうと思います。

――ナレーションを読んだあとでも?

読んだけど、ちょっと無理かな。話しかけることができないので。

――石田さんは、すごく聞き上手ですが。

聞き上手なのは聞き上手ですけど、ぼくはダメですね。なんだろう、何がダメなのかな…。やっぱり、話し相手だったとしても、しっかり関係値がある人じゃないと信頼できないし、一晩だけだから何でも話したらいいじゃない、というふうに思えない。

逆に寂しくなっちゃう。一晩でさよならしたあとに、自分はいろいろ考えちゃうだろうし。

でも、石田さんは何百人という人に会っていて、自分はそのうちの一人っていうのが嫌なんだと思う。

おばあちゃん、いつ来るかわからない石田さんを待っていて、それがかわいそうで、ちょっと泣きそうになっちゃったんですよ。「待ってたんだ」と思ったら。いつ来るかわからない人を待つのはつらいから、待たないほうがいいと思ったけど、でも、おばあちゃんやさしいから待っていて。

――石田さんは、これを死ぬまで続けたいと言っていました。

毎日、毎日違う人と出会って、会話してっていうのが、それだけ石田さんにとって生きる活力になっているんだなぁと思うと、なんかちょっとわかってきちゃうというか、理解できない、だけじゃないなって。

すごく行動力あることだし、生きるために歌ったり、お仕事したりするのと一緒なんだろうな、と思いました。

でも、この先、何かがきっかけで止めることもあるわけじゃないですか。そのときが来たら、話を聞いてみたいです。何がきっかけでそうなったのか。

逆にずっと続けていたら続けていたですごいことで、どうなるのか、気になります。

――最後に視聴者にメッセージをお願いします。

『ザ・ノンフィクション』って自分が経験できないような、自分とはまるで違う人の人生を垣間見て、そこから、その奥にある何を感じ取るようなところがすごく面白い、刺激を受ける番組で、今回も、それがすごくあったな、と思います。

この人の人生を見て、自分はどう感じるのか、を考えながら見てほしいかな、と思いました。

<ナレーションの一部を先行紹介>

<予告動画>

YouTube「FUJITV GLOBAL CHANNEL」で、『ザ・ノンフィクション』の予告動画を配信中!

10月15日(日)14時~「今晩 泊めてください~ボクと知らない誰かのおうち~ 後編」予告