新たな働き口を求め、様々な人が訪れる場所「ハローワーク」。年明けの1月は利用者が多い時期だといいます。
ハローワーク梅田 職業相談部長:
全体を通して12月末でのご退職の方がボーナスをもらわれて、そろそろ4月から新しい転職っていうことでお辞めになられて来られる方っていうのが、例年は年の中で比較的多い時期ではあります。
今回『サン!シャイン』は、年明けのハローワークに密着。
そこで見えてきたのは“年齢の壁”に直面する高齢者や、過酷な労働環境で離職を選ばざるを得ない若者たちの現状でした。
「65歳定年」の壁
JR大阪駅から徒歩5分の場所にある「ハローワーク梅田」。
ハローワークは、厚労省が運営する職業紹介機関で全国に500カ所以上あります。利用は無料で予約も必要ありません。
この日、相談窓口を訪れたのは63歳の女性。契約社員として事務の仕事をしていましたが、2025年9月末に契約が切れ、失業したといいます。
事務職希望の女性はこれまでに何件か面接を受けていますが、人気の職種ということもあり、採用されなかったといいます。
求人数と求職者数を比較したグラフを見ると、建設業やサービス業は求職者の数より求人数が多い“売り手市場”の一方で、事務職などは求職者の方が多い“買い手市場”に。
厚生労働省によると、
2024年のハローワークの採用割合は11.6%と過去最低に。企業と求職者のミスマッチなどが広がっているとみられます。
ここでは、国家資格などを持つ専門の職員とマンツーマンで相談しながら仕事を探すことができますが…
希望の条件に完全に一致する求人はなかなか見つかりません。
職員「これはフルタイムで経理事務全般で、年齢的に言うと65歳定年。1年半しかない」
女性「そうですよね。65歳までだったら前のとこと変わらない」
職員「2年後に(職探しで)また辛抱せなあかんから」
女性「そう」
職員「そんなんばっかりだね」
女性(63):
失業保険が終わって、国民健康保険はひと月3万円払わないといけない。本当に切羽詰まってるんですけど…(笑)。
年金だけでは足りない…77歳男性
元気な高齢者が増えているにもかかわらず、立ちはだかる「年齢の壁」。
こうした現状を少しでも改善するべく、ハローワーク梅田では65歳以上を対象とした「シニアコーナー」を設置。シニアでも応募しやすい求人を掲示し、生涯現役で働きたい人を支援しています。
その一角で熱心に求人ファイルを読み込む1人の男性が…。
――何を見ているんですか?
男性(77):
(勤務)時間とそれから時給ですよね。僕は清掃関係やねんけども。
77歳の男性は2025年10月、清掃業の仕事が満期となり失業しました。同じ清掃業の仕事を探していますが、なかなか見つからないといいます。
男性(77):
60歳そこそこまでやったら大抵の職があるんですけど、75歳を超えて80歳に近くなると新しくはなかなかいけない。
75歳を過ぎても、まだまだ働きたいという男性。
現在は大阪市内の賃貸マンションで30年ほど前に結婚した20歳年下の妻と2人暮らし。家賃は約7万円。
男性(77):
年金は月に5万円ありませんから。だから(生活するには)20万以上はないといけないですから、後の15万円は仕事をしなくちゃいけないって世界ですね。
スーパーで契約社員として働く妻の収入を加えても足りず、再就職を急いでいますが…。
男性(77):
77歳で切られた(面接)もありますわ、やっぱね。「あ、年齢やな」と思った。それはそうよ。77歳で「このおっさんいつまで生きるんだろう」と思われてる。60歳50歳のおっさんと走らせたら負けへんって気持ちはありますけどね。
数年前までマラソンを続けていたこともあり、体力や健康には自信があるという男性ですが、面接では年齢で判断されてしまったと感じることも多いといいます。
そんな現状でも仕事を探す男性。
ハローワークに紹介された清掃業の求人先に応募の電話をかけてもらうと…、1件の面接が決まりました。
男性(77):
(勤務)条件はまあ、あのもうこちらがどうこう言う前にこんなもんかなということで。まあ辞めてから2カ月になるんでね。もうこれ以上(失業期間を)伸ばすのはいかんということで。
――仕事をしないっていう選択は難しい?
難しいんでね。もう死ぬまで仕事をしなくちゃいけないということで。
若者がハローワークに通う理由は?
ハローワークを利用しているのは高齢者だけではありません。
「大阪わかものハローワーク」。その名の通り35歳未満を対象としていて、職業適性検査や就活用のセミナーを開催。若者の就職を後押ししています。
そんな「わかものハローワーク」で、7日間に及ぶ就活セミナーに参加していたのは18歳の男性です。ハローワークでの就活は初めてだといいますが…。
男性(18):
めちゃくちゃ勉強になっていて、ここに来て面接対策だったり、自己PRだったり、自分の働きたい条件だったり、働くための全てがあって…。
高校卒業して(2025年の)4月に大阪に来て、寿司職人・・・寿司を勉強していて、12月に辞めて、今から就活しようかなって感じ。労働時間が長くて8時40分から23時までを週6日でやっていて、耐えられないな…って思ったのと、一番大きかったのは自分がインフルエンザになって「それでも来い」って言われて…。
寿司職人として修行していたものの、過酷な労働環境で辞めざるを得なかったといいます。
大阪わかものハローワーク 富永広知室長:
ご自身で辞められる方のほうが相談内容としては多いかなと思いますね。望まないけれども辞めざるを得ない状況になってしまった。もしくはハラスメントであったりとか、心が苦しくなって辞めざるを得ないという方もたくさんおられるので…。
高齢者が切羽詰まった状況で仕事を探していたのに対し「わかものハローワーク」にはこんな人たちも。
男性とハローワークを訪れた女性。実はこの2人、今年7月に結婚予定。婚約者の男性も離職を決めたため、2人で職を探しているといいます。
近年、転職サイトなど、インターネットを使って職探しをする人が増え、ハローワークでの紹介件数は減少傾向に。そんな中、若者がハローワークに通う理由は?
女性(26):
面接対策とか、求人の良いところとか逆に良くないところとかを教えてくれるし…。仕事を辞めて転職活動をして失業保険をもらってる人がこんなにいるんやっていうのが目で見て分かるじゃないですか。
親身に相談に乗ってくれる点が、ハローワークのいいところだと話す女性。新生活への期待を胸に、婚約者とハローワークを後にしました。
(『サン!シャイン』2026年1月22日放送より)
