11月に入ってから、三重県亀山市で水道水が“茶色く濁る”現象が発生。
住民の生活だけでなく、飲食物を取り扱う店舗や、小学校の給食などにも大きな影響を及ぼしています。
給水所に列…生活に大きな影響
亀山市内の約2700世帯で発生しているという、水道水が茶色く濁る現象。
実際に『サン!シャイン』が、市内の一般家庭の水道水と、買ってきたミネラルウォーターを見比べてみると…。
濁った水が出ている 住民:
見えるな、茶色に見える、やばっ!?
気付かなかったです、いま(コップに)入れて初めて気付きました。飲んだらあかんやん…ちょっとびっくり。いま、私もこんなに茶色いとは思わなかった。
一見透明に見える水道水も、比較すると一目瞭然。茶色く濁っているのが分かります。
この現象により、小学校の給食にも影響が出ているといいます。
亀山南小学校では調理室が使えず、水を使わないで済むレトルトカレーと乾パンが給食に出された日もありました。
市は、水に赤みがみられる場合は、飲んだり洗濯に使ったりしないよう呼びかけており、現在、市内に4カ所の給水所が設けられています。
『サン!シャイン』が取材した11月10日も、給水所には不便な生活を強いられている住民たちが列を作っていました。
小さな子どもがいる家庭は…。
濁った水が出ている家庭:
飲み水もしかり、例えば歯磨きしたうがいとかも、給水させてもらった水を使わせてもらっていて。子どもはね、(水道水が)ちょっと茶色いくらいだと分からないもので、だから大人が気を付けて。
さらに、市内にある和菓子店「生甘堂」ではこんな影響も…。
「生甘堂」 店主・伊藤正博さん:
緑茶ぐらいの濁りの水が、水道水が出てきたので。もうこれ、お菓子作りには使えないなということで…。11月5日は(和菓子の)製造は全部ストップして、とりあえずあるものを販売してっていう形にしたんですけど。
一番、影響が大きいのは「あんこ」ですね。(あずき)豆を煮るのにもお風呂3杯分くらいの水が必要ですし、炊き上がったものを機械に通すときも同じぐらいの水が必要ですし。
現在、水が濁る前に作った和菓子などは販売できているものの、あんこの仕込みなどはできていない状況が続いているといいます。
「生甘堂」 店主・伊藤正博さん:
普通に今までは、蛇口をひねったらきれいな水が出てくるのが当たり前だったんですけど。今は(濁った)色がつくことがありますし、例え途中できれいな水が出たとしても、次の瞬間汚れが出るかもしれないので、お菓子に直接使うのは怖いっていうイメージがあります。
今後の対応は?「全国的にどこででも起こりうる」
濁った水が出ている原因について、亀山市は「現在調査中であり、直接的な原因は、水道管に長年蓄積したサビた鉄分等が、何らかの水流水圧等の変化により、はく離したためと考えております」としています。
亀戸市は今後の対応として、定期的に洗管作業を行うと共に、危機管理マニアルの整備、老朽化対策としてAIを活用した漏水リスク評価の実施、使用できなかった期間分の水道料金の減免などを考えているといいます。
実は、水道水が濁る被害は、他の地域でも発生しており、今年(2025年)4月には北海道北部の天塩町で水道の水が濁り、約1200世帯・町内の8割以上の世帯が影響を受けることになりました。
水道事業に詳しい、近畿大学の浦上拓也教授は、「このような現象は全国どこでも起こりうる」と警鐘を鳴らします。
近畿大学経営学部 浦上拓也教授:
全国的に水道管の老朽化は進行していますので、どこででも起こりうる事かと思います。
ただ、(濁った水が)一週間以上続くのは、極めてまれなケースだと思います。
原因は、水道管は鉄でできておりますので、経年劣化するとさびが付いて、そういったものが、水流が変化したり断水が一時的に起こったりすると、それが水に溶け出して、赤い水が出るようになると。
――浄水器などで対応はできないものか
浄水器で一部対応できると思いますが、浄水器もフィルターが根詰まりしますので、一体どれだけ耐えられるかと。
――市は定期的な水道管の洗浄作業を行うということですが
洗浄した水が蛇口から出てしまうとこれまた問題になりますので…。どのような手順を経て水道管の中をきれいにできるのか。ただし、経年劣化した水道管の中の状態は、洗浄するだけで改善するかどうかは難しいところもありますので、計画的に管を入れ替える、更新というところが、一番確実な方法かと思います。
(『サン!シャイン』 2025年11月11日放送より)
