11月5日、秋も深まる中『サン!シャイン』が取材したのは、東京・八王子市にある高尾山。
市街地からも近い人気の登山スポットですが、多くの登山客にはこれまでにない特徴がありました。
取材スタッフ:
チリンチリンと音が聞こえますね。クマよけの鈴でしょうか。
高尾山の登山客:
高尾山は目撃情報が前からあったのでクマ鈴を(付けています)。
『サン!シャイン』が登山客100人を調査したところ、30人が何らかのクマ対策をした上で登山をしていました。
環境省は、2025年4月から9月までに北海道と九州、沖縄を除く地域で確認されたクマの出没件数が2万792件に達したと発表。クマの出没件数が最も多かった前年の同じ時期の1万5832件を大きく上回っています。
さらに2025年度クマによる被害で亡くなった人は、過去最悪の12人にものぼります。
「千葉県ならクマがいない」SNS投稿も
どこに行くにもクマの心配がついて回る中、SNSではこんな投稿がありました。
SNSの声「千葉県ならクマの心配をせず、自然を満喫できる!」「紅葉狩りはクマがいない千葉県へ!」
千葉県にはクマがいないというのです。
そこで『サン!シャイン』が向かったのは千葉県の登山スポット「鋸山」。登山客の様子を観察してみると…。
取材スタッフ:
たくさんの登山客が登っていきます。クマよけの鈴などの音はしていないですね。
鋸山の登山客:
やっぱりクマのいない県ということで、来ました。
鋸山の登山客:
クマがいないんでね、千葉ならば。
――(クマよけの)鈴も持ってきていない?
そうです、何にもない。
登山客30人に話を聞いたところ、29人がクマ対策をしていませんでした。
さらに、登山ルートを見てみると。
取材スタッフ:
周辺を見渡しても、クマ出没注意などを呼びかける看板は見当たりませんね。
実際に登山口から山頂まで登ってみると、「クマ出没注意」のような看板などは1つも見当たりませんでした。
クマに遭遇する心配がないからなのか、山頂には平日でも多くの観光客の姿が見られました。
鋸山ロープウェースタッフ:
(11月1~3日)3連休で8000人以上来ていますので、例年と比べると多いのかなと。1.5倍くらいの来場はあるかなと思います。
千葉県は本当にクマがいない? 真相は…
クマの心配いらずで賑わいを見せている千葉県。しかし本当に千葉県にクマが出る心配はないのでしょうか?
クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹特任教授に話を聞くと…、
石川県立大学・大井徹特任教授:
千葉県というのは唯一、クマが生息しない県です。千葉県ではクマは化石としても出土していません。縄文時代の遺跡の中からも発見されておらず、数万年前から生息したという記録はありません。
しかし、隣接する東京都や埼玉県、茨城県ではクマの目撃情報があります。今後、移動してくる可能性はあるのでしょうか?
石川県立大学・大井徹特任教授:
房総半島は南が海、北側は開発が進んだ関東平野に囲まれています。関東平野には住宅地や工場地帯や農耕地など、クマの移動の障害物になるものが多くて移動は困難だと考えられます。
秋の行楽シーズン、クマに遭う心配がないという千葉県で、紅葉狩りを楽しむのもいいかもしれません。
(『サン!シャイン』2025年11月6日放送より)
