相次ぐ強盗事件などの影響もあり、需要が高まっている「防犯カメラ」。
高齢者や子どもの見守りなどの目的で、家庭での利用も身近となっていますが、これらの映像が海外に流出している可能性があるといいます。

読売新聞と共同で調査を行った、情報セキュリティー会社「トレンドマイクロ」によると、調査を行った海外7サイトで、約2万7000件の流出映像が見つかり、うち日本に関連すると思われる映像は、約1300件見つかったといいます。

『サン!シャイン』が、「トレンドマイクロ」のシニアスペシャリスト・成田直翔氏の立ち会いの下、注意喚起のための調査の中で明らかとなった海外サイトを確認させてもらうと…。

公開されているものの大半は、河川などの“ライブカメラ”として一般に広く公開されているものでした。

しかし、成田氏によると保育園の園児たちの映像など、一般公開されていない映像が、無断で公開されていたケースもあったといいます。

専門家が教える!防犯カメラ設置時の注意点

なぜ一般公開していない映像の一部が流出する事態となってしまったのか。
「トレンドマイクロ」の成田氏は、ネットワークに接続しているカメラの映像が流出する原因として以下のものがあげられるといいます。

▼ネットワークカメラの公開範囲を誤って設定している
公開範囲を、限られた一部の人が見られるものではなく、誤って不特定多数が見ることのできる設定にしているケースが多い。

▼パスワードやIDを初期設定のまま利用
初期IDやパスワードはメーカー共有のものが多く、初期設定のまま利用した場合、簡単にハッキングを許してしまう危険性がある。

▼カメラが古くセキュリティーソフトが更新されていない
何者かが特別なプログラムを使い、脆弱なカメラのIPアドレスを収集・公開することで流出などが起きる。

――映像が流出した場合、どのような被害が考えられる?
「トレンドマイクロ」成田直翔氏:

保育園児の映像であれば、映像が悪用されてしまう可能性はありますし、自宅内や玄関先もプライバシーの侵害になったり、闇バイト、強盗の対策のために防犯カメラを設置したという方は多くいらっしゃると思いますが、逆にそのカメラが強盗に入るために使われる可能性もあると。
(カメラが接続しているネットワークの)IPアドレスがわかれば、市町村レベルであれば地域も特定できますし、カメラの映像から現在は画像検索の技術も発達しているので、どこのエリアかすぐに特定できる場合もあるんです。

谷原章介キャスター:
自分は、親の見守りのためにカメラをつけているのですが、アプリ上で管理しているんですよ。そのカメラがWi-Fiでネット接続していて、それをアプリで管理しているのですが、これも流出する可能性がある?

「トレンドマイクロ」成田直翔氏:
アプリ側ではなく、カメラ側の設定で、公開設定が誤っている場合があります。
今回流出している映像の大半が、ネットワークカメラの公開設定自体が間違っていたケースでした。

すぐにできる対策としては、以下のような手段があります。

▼ネットワークカメラの公開範囲が誤って設定されていないか確認する

▼セキュリティーのアップデートを定期的に行い最新の状態にする
10年ほど経過すると、セキュリティーアップデートが行われなくなることが多いので、サポートが終了したカメラは使わない。

「トレンドマイクロ」成田直翔氏:
ネットワークカメラ自体、大体寿命は5~6年なので、(セキュリティーのサポートが切れる前に)5~6年で買い換えると。
(設定などが不安な場合は)例えばメーカーのサポートに問い合わせいただくとか、業者に問い合わせいただいて、現在の設定がどうなっているのか確認いただくのがいいと思います。

(『サン!シャイン』 2025年11月5日放送より)