2014年、長崎で熱いファンを獲得した“ある動物”が11年たった今“日本一”バズり、その動物園の人気もとんでもないことになっています。

それは、長崎県の動植物園「長崎バイオパーク」のカバたち!
2014年8月、YouTubeに動画が公開され大注目。

中でも「ガブッ、ガブッ、ガブッ」噛む力が1tもあるというカバが、スイカを丸ごと豪快に食べる姿と咀嚼音が人々をとりこにし、動画が大バズりしたのです。
11年たった今再生回数を見てみると、公開後も動画は見られ続け、なんと1億7000万回を突破!

「この映像は何度見てもまた見返したくなるわね」「カバたちの幸せそうな表情が大好き」
世界中から絶賛の声が届いていました。

他にも、カピバラが巨大なスイカをかじる動画は1050万再生。

モルモットの爪を切る動画は121万再生と、長崎バイオパークは100万再生以上の動画がたくさんある「日本一バズる動物園」となっていたんです。
なぜここまでバズる動画を作り続けられるのか?『サン!シャイン』が取材しました。
広報自ら生配信!ファンから“プレゼント”も
10月5日。開園30分前からスマホ片手に園内を回りながら実況するのは、飼育員歴4年・SNS担当5年の長崎バイオパーク広報・春岡俊彦さんです。

長崎バイオパーク広報 春岡俊彦さん:
フェネックのネネちゃんです。起きてますね、珍しい。

2020年から始めたというインスタライブでは、動物たちの様子を生配信で伝えていて、園長が参加することもあるといいます。
長崎バイオパークでは、インスタやYouTubeでこうした動画をほぼ毎日アップしています。
バイオパークといえば、“カバのスイカ”にも代表されるような動物への餌やり動画が人気ですが、「動画撮影で動物たちにあげてください」と、全国各地からたくさん野菜や果物が送られてくるそうです。

長崎バイオパーク広報 春岡俊彦さん:
北海道の方から頂いたカボチャです。
ジャック・オー・ランタンを作って、動物にあげていきたいと思います。
もらったカボチャを“ハロウィーン仕様”にくり抜き動物たちに持っていくと…、

長崎バイオパーク飼育員 せつこさん:
わ~うれしい。すごい食いつきがいい。
長崎バイオパーク広報 春岡俊彦さん:
おいしいカボチャなんじゃない。
動物たちがエサを食べる姿は見ていて飽きませんが、なぜ、バイオパーク動画の人気が続いているのでしょうか?

長崎バイオパーク 神近公孝社長:
コロナ禍ごろからですね、飼育員やスタッフが前に出てきて解説したり、そういう形の動画に変えていった方がいいんじゃないかという意見が少しずつ強くなってきて。
動画の多くに飼育員自身が出演して動物の解説などをしたり、お客さんが見ることができない場面を公開したり、時には、動物よりも飼育員がメインの企画動画がアップされることも。
長崎バイオパーク広報 春岡俊彦さん:
それぞれ動物の担当があるので、自分たちの個性を使った発信の仕方をしています。

長崎バイオパーク 来園者:
インスタで見てカピバラに餌があげられるって知った。
長崎バイオパーク 来園者:
リアルな空気感がすごく伝わる。
飼育員の個性が視聴者の心に刺さり、集客にもつながっているといいます。
そして、その取り組みは予想以上の反響に!

名古屋から初来園のファミリー:
いつもYouTube見てます。
長崎バイオパーク広報 春岡俊彦さん:
えっ、ありがとうございます。
名古屋から初めて来たというファミリーは、バイオパークのYouTubeの大ファン。
名古屋から初来園のファミリー:
「春岡さんいる!」って(テンション)上がってました。
ミーアキャットとか「本当にいる!」っていう感じと、同じテンション(で春岡さんに会う)。

春岡さんと一緒に写真をパチリ。
今や飼育員も動物たちに匹敵する人気を獲得していたんです。
動物よりも飼育員!? 応援したくなる理由
そして中には、こんな飼育員も。

長崎バイオパーク飼育員 山本燿一朗さん:
筋肉担当です。

バイオパークの“マッスル兄貴”こと飼育員歴10年の山本燿一朗さん。
SNSで、その筋肉をアピールし続けた結果…。

長崎バイオパーク・飼育員 山本燿一朗さん:
(お客さんから)プロテインをいただきました。
――でかいですね。
大きめのやついただきました。

さらに、バイオパークの“元気印”飼育員歴4年目の、せつこさん。

過去の動画で「ドラゴンボール」の人気キャラクター“ピッコロ”が好きなことを告白した結果。

長崎バイオパーク・飼育員 せつこさん:
お客さまからいただいたピッコロのフィギュアです。
フィギュアを扱ってるところに行ったりすると、一体5000円とか8000円とかで売ってるので。飼育員なんですけど…なんでこんなに良くしてもらえるのか。
何とフィギュアをプレゼントしてくれるお客さんまで現れたというのです。
思わず飼育員を応援したくなる理由とは。

長崎バイオパーク 来園者:
飼育員さんたちがそれぞれ魅力的で、それが伝わるように映像で映してくれて。ただ動物をかわいいってだけじゃなくて、もっと動物のことを理解してほしいっていう気持ちが伝わってくる。そこが魅力だと思っています。
長崎バイオパーク 神近公孝社長:
一昔前の「お金をもらってそれにふさわしいサービスを提供する」、そういう関係ではなくて、我々をサポートしてくれる方たちが、「こういう動物園が理想だよね」というものを一緒に実現していくみたいな。そういうコミュニティみたいな形になってきてるかなっていうふうに感じています。
(『サン!シャイン』2025年10月16日放送より)