紅葉シーズンが間近に迫った京都で、今、紅葉に “ある異変”が起きているといいます。
9月下旬から京都のモミジに“異変”「例年見ない状況」
11月になると、四季を彩る鮮やかな紅葉を見るために多くの観光客が訪れる京都の「永観堂」。

しかし、10月6日に取材班が訪れると、そこには、紅葉の季節を前に枯れたモミジの葉が…。

永観堂 禅林寺 濱野弘胤さん:
これ枯れてるわ絶対…枯れちゃってますよね。赤くなってちりちりになって、木自体もあかんかもしれませんね、これ。
永楽堂禅林寺の濱野さんによると、葉が枯れているのを最初に確認したのは、9月の上旬。その後、一部の木から枯れた葉っぱが大量に落ちたといいます。

永観堂 禅林寺 濱野弘胤さん:
多分あんまり、例年に見ない状況かもしれませんね。
紅葉せずに、緑から茶色という感じで落葉しているのが、今の現状ですね。
木の管理は庭師さんが入ってやってくれているので、栄養不足とかはないと思うんですけど、それ以上に、水がなかったって言うのが大きな原因じゃないか。
スプリンクラーぐらいの水では間に合ってない…。

京都地方気象台によると、この夏京都市内で35℃を超える猛暑日は60日以上。雨は少なく、9月の降水量は90.5㎜で平年の約半分でした。
濱野さんは、こうした気候の影響によって葉が枯れるだけでなく、例年11月ごろの“紅葉の見ごろ”にも影響があるのではないかといいます。

永観堂 禅林寺 濱野弘胤さん:
紅葉が結局遅いんじゃないですかね。もしかしたら12月入ってもまだキレイな状況が続くかもしれません。
師走のころ12月入ったらもう掃除をし始めるころなんですけど、(観光客が多くて)なかなか掃除ができない状況になるんじゃないかなという気もしますね。
これには、訪れていた観光客も肩を落とします。

観光客:
なんかちょっと毎年のと違うなっていう感じがして。ちょっと悲しいというか、つらいですね。

中国からの観光客:
今年は暑いから12月ぐらいに紅葉すると聞きました。12月には祝日がないので、日本に見に来ることができません…。
紅葉する前に葉が落ちてしまう現象は、京都の別の場所でも。
嵐山の隠れた紅葉スポット「鹿王院」。ここでも、猛暑などの影響で一部のモミジの葉が枯れたり落ちたりしてしまっているといいます。

鹿王院 吹田陽子さん:
こちら、モミジが青いまま落ちている。
水分が少ない、十分に枝の高いところまで水分が行き届かないからだと思います。
一方、関東では桜が開花?
関東でも、続く猛暑が原因と見られる“異変”が起きていました。
埼玉県にある「鶴ヶ島市運動公園」では、季節外れの桜の開花が…。

鶴ヶ島市運動公園 監視員 中島利秋さん:
(今まで見たこと)ないです。これが初めてですね。
今の時期、桜が咲くというのはちょっと聞いたことがないので、びっくりしちゃったんですよ。

なぜ、秋に桜が咲いてしまったのでしょうか?
樹木医の後藤瑞穂さんはこう推察します。

樹木医 後藤瑞穂さん:
(開花したのは)冬桜の一種かなというふうに思います。
通常は1月とか2月とか。そういう時期に開花しますね。気候の変動の影響とかで早めに開花したと。
(植物ホルモンが)開花を適切な時期に促すという働きがあるんですが、そういう働きを壊してしまって、「今が咲き時だ」というように木が勘違いして花を咲かせてしまうことがあるようです。
天達気象予報士「木々が夏、頑張った証拠です」
谷原章介キャスター:
紅葉が遅れるのも心配ですが、早すぎる桜ってちょっと心配ですね。
四季がどうなっちゃってるんだろう…。

天達武史気象予報士:
秋の桜、満開近くになっているというのもあります。
ただ、先程のものは冬桜で、チラチラ咲いている程度だったのでそこまで影響はないと思いますね。
京都では猛暑の影響が出ています。
(紅葉の)通常の見頃が大体11月中旬から12月上旬なんですが、嵐山ビジターズステーションの方によると、今年は色づきが悪くて11月の終わり頃から見頃になるのではということです。また、一部暑さの影響で枯れた葉や色づきが均等ではない。
でも僕は思うんですよ。「夏、頑張った証拠です、木々が!」
夏に頑張って最後有終の美を秋に飾る。ただ、それができなかった葉たちも、風情があっていい。
今年の夏がすごかったんだなというのが、ここで分かりますよね。
鈴木おさむ氏:
ロマンチストでした? 天達さん…すごい熱がある。

天達武史気象予報士:
紅葉があまり色づかないから悪い、というのは僕は好きではないです。
こういうのをぜひよく見てほしいですね。
これからの紅葉見頃予想は…
天達武史気象予報士:
今年の見頃予想を日本気象協会が出していますが、9月の18日に出したもので、この後も猛暑が続いたのでもっと遅くなるかもしれません。
高尾山あたりも見頃予想が11月21日なんですが、もっと遅くて、東京都心や京都市内の平地は12月ぐらいが見頃になるかもしれません。

でも楽しみがあります。
今年まだ実は暴風を吹き鳴らすような台風が来ていない。だから山の方は夏場そこまで気温が上がっていないので、枯れていない木が多いんですね。逆に山間部の日光や標高が1000m以上のところは色づきがすごくきれいになっていることもありますので。
谷原章介キャスター:
ちょっと遅れるけど期待はできる?
天達武史気象予報士:
期待はできると思いますね。ぜひ楽しんでいただきたいです。
(『サン!シャイン』 2025年10月7日放送より)