ナレーション収録を終えた井上さんにインタビュー。「祖母や母もよく行っていた」という浜マーケットの懐かしい思い出や、現在の様子を見て感じたこと、時代の移り変わりなどについて聞きました。
井上真央「馴染みのある商店街なので、取り上げてもらえて嬉しい」
――井上さんはこのあたりが地元だそうですが、映像を見た感想を聞かせてください。
嬉しいですよね。祖母や母、友だちのお母さんなど周りの人もよくここへ行っていたので、「浜マーケット」と聞くと、懐かしい気持ちになります。今も、たまに帰って前を通ると「変わってないな」とホッとします。馴染みのある商店街なので、こうして取り上げてもらえて嬉しいです。
――お祖母さまやお母さまと、よく行っていたお店はありますか?
特に「ここ」というのではなく、いろいろなお店に行って、美味しいものや気に入ったものを買うという感じでした。お総菜屋さんの「三角コロッケ」が有名だったのを覚えています。
亡くなった祖母と、もし今、話ができたら、この映像を見ながらいろいろな思い出を聞けたのかな…と思います。母は今でも「浜マーケットで買ったお惣菜が美味しかった」とか「花屋さんが懐かしい」と話すことがあります。
「浜マーケット」はたぶん、あの付近に住んでいる方はみんな知っている、レジェンド級のスポットだと思います。

――商店街全体の雰囲気は、昔の記憶のままでしたか?
こんなにたくさんシャッターが閉まっているということに、少しびっくりしました。私の小さい頃はいつも賑わっていましたし、大晦日は、みんながワクワクしながら買い物に行って。時代の流れとはいえ、ちょっと寂しいです。
――シャッター街は、全国の商店街で増えています。
ここ数年の物事の移り変わりは、本当に激しいですよね。「新しいものを求める」という時代になってきていると感じます。でも私は、浜マーケットのように昔から続いているものや、そこで生まれる関係性、コミュニティの中に大事なものがある気がします。
商店街は、お肉屋さんならお肉屋さん、お花屋さんならお花屋さんと、覚悟を決めて人生をかけてきた人たちが集まった場所。気概や誇りを感じますし“踏ん張る力”を持った人たちが集う空間というのはすごくいいなと思います。
もし空き店舗でお店を出すなら、何屋さん?
――もし「空き店舗で、好きなお店を出してください」と言われたら、何屋さんを開きたいですか?
えぇ、なんでしょう…鳥が好きなので、小鳥屋さんかな。金魚屋さんやメダカ屋さんもいいですね。昔はそういうお店がよくありましたが、今は少なくなっていて…。私は小さい頃からそういう店をのぞくのが好きだったので、やってみたいですね。小鳥がいると、幸運を呼びそうな気もします。
――映像のなかで、印象に残ったシーンはありますか?
閉店した和菓子屋さんで使われていた、店名入りのおぼんを、焼き芋屋さんが譲り受けて使っているところです。たとえお店がなくなっても、こうして歴史や想いが引き継がれているんだなと、あたたかい気持ちになりました。
――井上さんは収録前に入念に打ち合わせをして、本番ではやさしく自然な声色を披露。素敵な“語り”でしたが、井上さんにとって声のお仕事はどのようなものですか?
難しいです。イントネーションも滑舌も得意な方ではないのでいつも緊張します。気持ちが入りすぎて映像の邪魔にならないように、でも情報はお伝えできたらと思っています。
今回の『ザ・ノンフィクション』も、スタッフの方たちが時間をかけて浜マーケットを見てきた想いが伝わってきました。自分の色を出しすぎず、その想いに寄り添えるように読みました。
予告動画&無料配信
YouTube「フジテレビドキュメンタリー」で、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。9月28日(日)14時~「浜マーケットに日は暮れて~人情商店街とクリームソーダ~」
9月14日・21日放送「ギャンブルをやめたくて〜また 家族と暮らしたい〜前・後編」(語り:中島美嘉さん)が、10月5日までTVer・FODで無料配信されます。