あのさんが著書に込めた思いを明かしました。
アーティスト活動5周年を迎え、2025年9月に自身初となる日本武道館公演を開催するなど、ジャンルの垣根を超えて活躍中のあのさんが、頭の中をさらけ出した全編書き下ろしの著書『哲学なんていらない哲学』(KADOKAWA刊)を昨年の暮れに発売。
本書は、自らの軌跡と真摯に向き合い、新たな決意を綴ったこれまでにない“あの流哲学書”。前例やルールに縛られず、自由な表現で構成された言葉の数々には、彼女が歩んできた道のりと、今後への覚悟が込められています。
なぜ今、ペンを執ったのか。そして、哲学書という形式を選んだ真意とは…。唯一無二の感性で時代を駆け抜けるあのさんが、自身の“現在地”を語りました。
あの「否定」の中にこそ、本質がある
――今回、自身の考えや希望で企画が進んだそうですが、なぜこのタイミングで「哲学書」を書こうと思ったのでしょうか?
きっかけや理由はあまりなくて、ただ純粋に「書きたい」と思って書きました。今まで本を書きたいと明確に意識したことはなかったのですが、初めてそう思えたんです。きっと、その「書きたい」という感情がずっと続くものかはわからない。
この本の中でも書いているように、感情というのは一定ではなく、どんどん変わっていくものです。だからこそ、そう思った今の瞬間に書いておこうと思いました。
――『哲学なんていらない哲学』というタイトルは非常に印象的です。ここにはどのような思いが込められていますか?
そもそも僕も哲学のことなんてあまり知らないし、「〇〇なんて」という、ちょっと否定的な言葉を言われることが多いんです。同時に、僕自身もそう言っちゃっているときがある。ぶっちゃけ「哲学なんてなくても生きていけるでしょ」と思っているし、ずっと思ってきました。
でも、そういう考えで生きている根底にも、やっぱり哲学ってどうしても存在しているんですよね。自分では気づかないうちに、何かしらの哲学のもとで生きているという感覚が僕自身の中にあって。
だからこそ、「哲学なんて」って思っている人にこそ読んでほしくて、このタイトルにしました。そういう否定をする場所にも、もう既に哲学があると思っているからです。
――実際に1冊を書き下ろしてみて、今の心境はいかがですか?
今回はわりと、新しいことを書こうとは思っていなかったです。冒頭で言ったように、当たり前なこととか、周りからしたらどうでもいいようなことを「どうでもよくない」と言いたいために書いた部分もありました。
今まで持っていた考えを記しているつもりだったのですが、やっぱり書いていくうちに「自分はこういう考えなんだな」とか「こういう思いなんだな」というのが結構整理できたり、気づけたりしました。
そういう意味では救われるというか、思考がどんどん整理されて研ぎ澄まされていく感覚はありました。
