近年、不漁による高騰でなかなか食卓に並ぶことのなかった、秋の味覚「サンマ」。
しかし今年(2025年)は、 “奇跡級のサンマ”といわれるほど、極上のサンマが水揚げされているといいます。

8月15日、全国に先駆けて初水揚げが行われた北海道・根室のサンマが並ぶ東京・築地でも、脂がのった“奇跡級”の大きさに、鮮魚のプロたちが目を見張ります。

「斎藤水産」統括責任者 斎藤又雄さん:
この大きさがなかなかなかった。今までは120g、140gが良いところですね。
今年は、170g、200gぐらいのサンマが出ていますよ!

さらに今年は豊漁で、極上のサンマを扱う「斎藤水産」でも、例年だと一尾2000円ほどのものが、この日は一尾1000円で売られていました。

東京・世田谷区の「根室食堂」では、毎日根室から新鮮なサンマを直接仕入れているといいますが、いつもより早い時期から続々と届く“奇跡級”の大きなサンマに、店主の平山さんもにっこり。

「根室食堂」 店主・平山徳治さん:
去年は、9月からサンマが入っていたけど、今年は8月半ばから入ってきて。届いたらびっくり!こんなでかいんだって!
予約のお客さんも、まず「サンマありますか?でっかいサンマありますか」って。根室といえばサンマですからね、うちとしてもサンマは他の店に負けるわけにはいかないので、良いサンマを出して食べてもらいたい。

「根室食堂」の名の通り、どこよりも根室のサンマにこだわっているというこの店。今年は、大きいサンマの塩焼きを600円で提供しています。
したたる脂が食欲をそそるサンマの塩焼きの他にも、サンマの刺身や身がぎっしり詰まった「サンマご飯」も大人気。

お客さん:
2匹目ですね、これ。サンマ大好きなんで、待望のサンマ。うんうん、脂のっておいしい。

お客さん:
去年はサンマが細くて寂しかったんで、今年は楽しみにして来ました!おいしかったです。

連日完売!「過去10年で一番いい」

ここで気になるのは、家庭の食卓に並ぶサンマのお値段。

東京・練馬区の「スーパーアキダイ」を訪ねてみると、すでにサンマが店頭に並んでいました。

「スーパーアキダイ」秋葉弘道社長:
こちらですね、1尾399円(税込み430円)去年に比べれば200円くらい安いですよ。
むしろ去年は、こういう大きい形のさんまがほぼなかったですね。過去10年ふりかえっても一番良い。
売る方としてもうれしいですよ。「サンマ脂のってておいしいよ」って言えるっていうね。

今年はサイズも大きく、価格も去年の同じ時期に比べ200円ほど安くなっているといいます。お客さんからも「おいしい」と好評で、連日完売。

「スーパーアキダイ」秋葉弘道社長:
こっからまた9月になって、基本的には下がってくるかなと思いますよ。

今後、全国の漁港で水揚げが始まると入荷量も増え、現在よりもさらに価格が下がる可能性があるといいます。

なぜ、今年はサンマが例年より豊漁で、大きく脂がのっているのでしょうか?
三重大学生物資源学部の立花義裕教授によると…。

三重大学生物資源学部 立花義裕教授:
サンマは冷たい海域を好む魚です。いま根室から釧路には冷たい親潮の海流が貫入しています。かつ冷たい海域というのは、暖かい黒潮の海域よりもプランクトンが倍以上います。(エサとなるプランクトンが)たくさんいて、大きいサンマが今年はいると。

プロが伝授!簡単おいしいサンマの焼き方

今年は大きなサンマが安く食べられるというなら、家でも楽しみたいところ。
『サン!シャイン』は、サンマの達人「 駒八豊洲店」小野澤雅丈料理長に、家庭でも簡単においしくできる、フライパンを使ったサンマの焼き方を教えていただきました!

まず、サンマの両面に塩をふり、そのまま10分おきます。こうすることで、サンマの臭みがとれ、おいしく焼くことができます。

10分たったら水で洗い流し、キッチンペーパーで水気をふきとります。

味付け用の塩を振ったらフライパンで焼いていきますが、ここでフライパンにクッキングシートを敷くことで、焦げ付かず、きれいに焼くことができます。

シートの上に油をうすくひいてから、半分に切ったサンマを中火で片面6分から7分ずつ、両面を焼いていきます。

その際に、1つ注意点!皮をパリッとさせるためにフタはしないようにしましょう。
両面にこんがり焼き目が付いたら出来上がりです!

皆さんもぜひ、ご家庭で秋の味覚を堪能してください。

(『サン!シャイン』 2025年8月26日放送より)