<岩井圭也 コメント>

みなさんは、「科学鑑定」と聞いて何を思うでしょうか?

「よくわからない」「難しそう」「自分とは縁のない話」…そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、科学鑑定で扱うのは、誰にとっても身近なものばかりです。

ドアノブに触れれば、指紋や掌紋が残ります。雨でぬかるんだ道を歩けば、足跡が刻まれます。普通に生活しているだけで、毛髪は抜け落ちます。人がこの世に残すあらゆる痕跡が、鑑定の対象となるのです。

私自身はただの小説家であり、科学鑑定について偉そうに語る資格はありません。しかしながら、鑑定の現場で日々奮闘している方々を心から尊敬しています。そのリスペクトを託したのが、“最後の鑑定人”こと土門誠という人物です。

このドラマをきっかけに、一人でも多くの方が科学鑑定への興味を持ってくださったら、原作者としてうれしく思います。