──劇中では、クイーン(CV:花澤香菜)との交流も描かれます。アフレコも一緒だったと聞いていますが、その際のエピソードを聞かせてください。
ナイス(CV:花江夏樹)、魂電(CV:島﨑信長)と男性ヒーローのメイン回が続いていましたが、“ラッキーシアン編”は初めて女性ヒーローのメイン回。女性ならではの強さや悩みみたいなものが描かれるストーリーのなかで、同じヒーローでもクイーンとラッキーシアンの対比もあり、アフレコがすごく楽しみでした。
アフレコ中だけではなく、もういつものことなのですが、香菜さんの姿勢がすごくおキレイで。私も「ソファにもたれかからないようにしよう」と影響を受けたりして(笑)。「きっとシアンもクイーンに対してこういう憧れの気持ちを持っているんだろうな」と、彼女の思いを共有しながらアフレコに臨みました。
水瀬いのりにとってヒーローは母「こんなに楽しく働けているのは母のおかげ」
──まだここからさまざまなキャラクターが登場しますが、水瀬さんが気になるキャラクターはいますか?
X(CV:宮野真守)ですね。ただ者ではないですし、ミステリアスなXにも日常があると宮野さんはおっしゃっていましたが、まだ謎だらけで…。台本を読んでいるので知っている部分もあるのですが、全部が見えていない気がするので、そんなミステリアスな存在感がXという唯一無二さを生み出しているんだろうな、と。
ここまで登場してきたヒーローは、弱さも含めて糧にしながらヒーローになっているところがありましたが、果たしてXにもそういう部分があるのか。何をするためにヒーローの道を選んだのかが、今後の注目ポイントになるのかなと思いますし、気になるキャラクターです。

──水瀬さんにとってのヒーローは誰ですか?
自分自身です。自分がいなければ、自分を取り巻く人たちに出会えなかったと思いますし、自分の大切にしている環境も守ることができないですし、全ての軸は自分だなと思っています。
その今の自分になるきっかけをくれた母もヒーローかもしれません。もともと私は声優に憧れることはありましたが、「なりたい」「なれる」とは思っていなかったんです。でも、母は「絶対に向いてる」と言ってくれて。その言葉がきっかけで仕事を始めていますし、今こんなに楽しく働けているのは母のおかげだなと思います。
──ご自身が誰かのヒーローになれたらという思いはありますか?
難しいですね。ただ、ファンレターを読んだり、ライブやイベントでファンの皆さんの表情を見たりしていると、「自分という存在が、こんなにも皆さんのなかで大きくなっているんだ」と感じることはあります。
それは私にとって励みになっていますし、なぜ涙を流すほど好きになってくれたのかを知りたいくらい。そのうえで、その気持ちに応えられる人でありたいと思っています。

──実際にファンの方からもらった言葉で、特に心に残っているものはありますか?
私の好きなところを100個書いてくれた方がいて。後半は、(上に同じという)ちょんちょん(〃)みたいになるんじゃないかと思っていたのですが(笑)、本当に100個書いてくださっていたんです。
こんなに人に褒められたことないよと思うくらいの…お便りというか作品ですよね。こんなにも私に向き合って、時間を費やしてくれたんだと思うとうれしいし、逆にどうすればお返しができるのかと悩んでしまったことを今でも覚えています。