──信頼値がなくなるとヒーローの力が弱まってしまうことに関してはいかがですか?
ヒーローも人間なんだということが、より伝わりますよね。劇中でもヒーローの弱さや不安、恐怖みたいなものが描かれていますが、その迷いが払拭できなかったときにどうなるのか、という部分は現実の世界とリンクしているなと思うんです。
どんなに恵まれていても、心が揺らいでいたら恵まれた環境を生かしきれないというか。ヒーローもそれぞれの思いを抱えながら、覚悟を持ってヒーローになっている。“本当の強さ”をぜひ皆さんに見ていただきたいです。
水瀬いのり ラッキーシアンとの共通点は、わからないことを「わからない」と言えるところ
──シアンは、どのような人物と捉えて演じましたか?
幼少期に、飛行機事故に巻き込まれながら生き残った唯一の子。その事故の際、墜落する飛行機のなかで乗員乗客の“希望”を一身に受けたことで、それが“信頼値”になり、幸運を手にしました。
自身が持つ“幸運”に対してどこか後ろめたさを感じているところもあり、自分が恵まれているという意識は持たず、「ラッキー♪」という気持ちよりも「また力が発動してしまった…」と思い悩む様子が垣間見えるように演じました。

──ご自身がシアンと似ているなと思うことや共感できることはありますか?
わからないことを「わからない」とちゃんと言えるところは、自分とシンクロしている部分だと思います。
私自身、自分のなかで解決していない気持ちや向き合いたい気持ちがあるときはしっかりと時間を割くタイプで。納得しないままその場をやり過ごすようなことはせず、次に進むためにちゃんと立ち止まろうとするシアンの姿には共感しました。
──シアンのブレなさは、3話のなかで一貫していましたね。
シアンは施設で育つなかで、小さなことから大きなことまで人に幸運を分けていき、やがて“聖女様”と祭り上げられて、施設から飛び出して“ラッキーシアン”というヒーローになりました。
自分が思い描いていた人生とは違ったかもしれないけど、どんなときも人のために行動した結果ヒーローになったところがシアンだな、と。ヒーローになってからも、歌を通して人に幸運をつなぐことを大切にしているところが、シアンの変わらない良いところだなと思いながら演じました。
