その夜、仕事終わりの千明と和平は、カフェ「ナガクラ」のテラスにいた。和平と親子で話そうと考えたえりなが、照れくさいのでと千明も誘ったのだ。

えりなが切り出したのは、優斗から聞いた和平の発言について。

見栄を張ってついた嘘を知られたことに、和平はうろたえて謝るが、えりなは「全然怒ったりはしてないかな」と言う。「むしろ可愛いなって思ったし。申し訳ないなとも思った」と。

理想の娘ではない自分を冷静に話せるくらい、えりなは大人になっていた。

「素敵な大人になったよ」和平(中井貴一)も感激のえりな(白本彩奈)の成長

「ただ、私は今の親子関係、悪くないなと思っていて」とのえりなの言葉に、どこかホッとしたように「そうか」と返す和平。

これまでの親子関係や父への態度を振り返りながら、えりなは涙とともに言葉を続けていく。

家族のありがたさがわかるようになり、今でも父に対して「しょうがないな」と思うところもある。でも、「人としては、好きだなって思う」と。

娘からの言葉を、目を閉じて涙をこらえながらじっと聞き入る和平。

そして食事のあと、空を見上げて「大人になったよ。素敵な大人に。君にそっくりだ」と、亡き妻に向かって呟いた。