──花澤さんと梶さんとの掛け合いはいかがでしたか?

勝手知ったる仲なので、「どういう芝居で来るか」ということも知っているんですけど、やっぱりあの2人はすごい役者だなと今回のアフレコで改めて思いました。引き出しの多さと柔軟さがあって、一緒にお芝居をしていても想像を超えた表現を見せてくれるので、楽しかったです。

(C)東川篤哉/⼩学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

──台本以上に面白くなった掛け合いはありましたか?

今回、謎かけと謎解きが分かれた構成になっていて、謎が提示される部分では風祭が場を乱すことが多いんですけど、そこでの麗子とのやり合いは本当に面白かったです。

麗子は風祭が上司だから仕方なく言うことを聞いているし、お互いの価値観をぶつけあって、納得いかないなりに自分を納得させて進んでいく感じが絶妙にコミカル。そういうシーンは香菜ちゃんと掛け合いができたからこそ、盛り上がるシーンにできたんじゃないかなと思っています。

宮野真守がミステリー作品を楽しむ時に重視しているポイントは?

──アフレコでは、宮野さんが1人汗だくで臨んでいたと聞きました。

そうですね。最近出演するアニメは、僕だけ汗だくになることが多くて(笑)。今回もそうでした。風祭の個性を爆発させた結果、ずっと大声で何かを主張しているキャラクターになってしまったので、仕方ないですね(笑)。

梶くんなんかスッと、キレイな顔をしてアフレコしてましたよ(笑)。

──かなり温度差があったのですね。

そうかもしれないですね。でも、梶くんは麗子と風祭がワーワー言い合うところを見ながら「いいなぁ」「僕もやりたい」と言っていました。

──宮野さんがミステリー作品を楽しむときに重視しているポイントがあれば教えてください。

結構ミステリー作品が好きなんですけど、昔はトリックが気になって、解読しようと頑張っていたんですけど、解けたことはありません(笑)。

大人になってからは、伏線の回収のされ方に感動することが多くなりましたね。「これが、ここにつながっていたんだ!」と。その気づきはミステリーの醍醐味だと感じていますし、「どうやってこの物語の構造を考えたんだろう」と作品を見るたびに考えて唸っています。

──視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

平成の時代にヒットしたこの作品が、令和になって平成の良さもまといながら、ベタなコメディ感も含んだアニメーションとして戻ってきました。

華麗に謎を解いていく主人公たちの姿はとても美しく、事件にかかわる人たちの背景はとてもハートフルです。麗子や影山は「後味が悪いからディナーのあとで」と謎解きをしていますが、アニメーションはディナーの前でも、いつ何時に見ていただいても楽しめる作品になっているので、たくさんご覧になってください。