今年2025年1月、今後30年以内に起こる確率が80%程度に引き上げられた「南海トラフ巨大地震」。

3月31日、政府は約13年ぶりに被害想定を見直し、公表しました。

死者数は最大約32.3万人から約29.8万人に減少。
全壊焼失棟数も250.4万棟から235万棟に減少。
震度7を含む、震度6弱以上の市町村数は、744市町村から749市町村に増加。
浸水域は前回想定より30%拡大し、1151㎢となりました。
政府が2014年に掲げた「10年で死者数を8割減少、全壊焼失棟数を5割減少」という減災目標には遠く及ばない結果となりました。
近い将来、日本で起きるとされる「南海トラフ巨大地震」。
大災害に備え、今、知っておくべきこととは?そして、私たちが自分の身を守るために必要なものは?
あなたと家族を守る3つのポイントを紹介します。
南海トラフ 新被害想定
『サン!シャイン』は都市部における地震や津波の被害を専門に研究する中央大学・理工学部の有川太郎教授に話を聞きました。
渡辺和洋アナウンサー:
今回の新たな被害想定についてはどう見ていらっしゃいますか?

中央大学・理工学部 有川太郎教授:
13年前の想定と比べて何が変わったのかというところですが、基本的に地震の大きさや津波の想定は変わっていません。一方で、避難ビルができたりしていますのでそういった意味で死者数が減っています。
地形のデータ、高さのデータなどの精度が少し上がっていますので、そういった意味で浸水域が広がっているというふうになると思います。
災害関連死 初試算
今回初めて災害関連死の試算が公表されました。

南海トラフ巨大地震は広範囲に及ぶということで、「災害関連死」の数が最大5万2000人。東日本大震災は約3800人でした。

災害関連死になりうるリスクの高い人の試算(最大数)は…
・要介護認定者:26万5000人
・妊産婦:8万人
・難病患者:5万3000人
・医療機関で受け入れきれない患者:15万5000人
・停電もしくは断水に遭遇する人工透析患者:12万人
・停電に遭遇する在宅人工呼吸器使用者:6700人
とされています。
中央大学・理工学部 有川太郎教授:
近年、避難所に避難される方が増えていますので、長期滞在ということが災害関連死に関連しています。それに対して今回避難者数もかなり多くなっていて、それによって災害関連死の数が増えているというふうに考えています。

前回(約13年前)の想定と比較して、避難者数は950万人から1230万人に、停電は2710万軒から2950万軒に、不通回線は930万回線から1310万回線に被害が増えています。その経済的被害は270兆円に及ぶとされています。日本の国家予算の2倍以上の数字です。
成田修造氏:
怖いのが、270兆円まかなうために、どうしても復興債という形とか今まで取れていない財源なので新しい形で資金を調達することになると思うんですよ。それが長期にわたって返していかなきゃいけないものになるということですよね。そうすると、今の国家予算に対しても今後影響が出てきてしまう。そうすると、今使っている社会保障のインフラとかそういうものを削らないといけないという可能性も出てくるじゃないですか。長期での影響というのは270兆円以上に及ぶ可能性もあるということですよね。そのあたりがすごく心配ですね。
命を守る3つのポイント
南海トラフ巨大地震の、人的被害を大幅に減らしていくために必要なのが「自分の命は自分で守る」という意識。
「自分と家族を守る3つのポイント」を実施することによって被害を大きく減らせるといいます。
①家具などの転倒・落下防止対策

現在の実施率は約35.9%。このままだと、家具の転倒などによる死者数は約5300人と想定されています。実施率100%の場合は約1800人と7割減らせます。
方法としては金具で固定、難しければつっぱり棒などで固定するといいといいます。その際は壁際で2箇所固定することが重要です。
②深夜でも10分以内に津波から避難

早期避難意識が低い場合は津波による死者数が約21.5万人。全員が地震発生後10分で避難を開始した場合は約7.3万人と7割減らすことができます。
地震後素早く避難するためには…
防災グッズを玄関に準備し、停電に備え感震ライトを玄関までの動線に設置するとスムーズに避難が可能になります。
③「感震ブレーカー」を設置

「感震ブレーカー」とは、震度5強相当の揺れを感知し電気を自動で遮断する機器。
現状、設置率が約8.5%ですが、これが100%になると火災による焼失棟数を半減できるというのです。
分電盤タイプの内蔵型は5~8万円かかりますが、簡易タイプバネ式は4000~5000円、おもり式だと2000~3000円ほどで対策が取れます。
感震ブレーカー設置費用の補助金を出している自治体もあるので、お住まいの市町村のHPなどを確認してみてください。
100円ショップで揃える500mLボトル防災グッズ

防災アドバイザーの高荷智也氏によると、100円ショップにあるもので、500mLボトルの中に入るコンパクトで便利な防災グッズセットを作ることができます。

中身は、ライト、予備電池、すべり止め手袋、ホイッスル、ミニポンチョ、レジ袋、携帯トイレ、除菌ウエットティッシュ、圧縮タオル、ミニバッグ、ばんそうこうなどをまとめて入れることができます。
(『サン!シャイン』 2025年4月2日放送より)