2025年1月24日、厚生労働省が発表した全国のインフルエンザ患者数は、9万712人。ピークは超えたものの、今後も注意が必要です。
そんなインフルエンザの感染予防として、今、「口腔ケア」が重要視されています。
専門家によると口の中を清潔に保つことで、インフルエンザだけではなく、様々な病気も防ぐ効果があるというのです。
そこで、注目されているのが、口の中に存在する多種多様な細菌の集まりである、「口内フローラ」の整え方。
『めざまし8』は、日本大学歯学部の落合邦康名誉教授に、様々な病気に影響する、口内環境の予防について詳しく聞きました。
「口内フローラ」が乱れると全身に影響が?
そもそも、最近よく耳にする「口内フローラ」とはなんなのか?
口内には、大腸の大腸菌と同じように、「腸内フローラ」ならぬ「口内フローラ」があります。人の口の中には、約700種類、1000億個以上の細菌が住み着いており、この、細菌の集合体を“フローラ”(お花畑)と呼びます。
口内フローラは、ウイルスなどの病原体を撃退する重要な役割をしているのです。
通常、細菌は大きく分けて3種類あり、健康をサポートし口内環境を整える「善玉菌」が約20%。健康に悪影響を与え毒素を生成する「悪玉菌」が約10~20%、中立的で環境次第で役割が変化する「日和見菌」が約60~70%を占めています。
この口内フローラのバランスが乱れると、全身に悪影響を及ぼすと言われています。
毒素を生成する「悪玉菌」が増えると、口臭や口の中の粘つきなど不快な症状が出るだけでなく、虫歯や歯周病などの原因となります。
悪玉菌である歯周病菌が、歯周ポケットなどにすみ着くと、骨を溶かす細胞が増え、歯を支える顎の骨を溶かします。さらに、歯の根の近くを走っている毛細血管から悪玉菌が全身を巡ると、心臓の血管にかたまりをつくり心筋梗塞などトラブルを招く可能性があるというのです。
他にも、脳梗塞や認知症、がん細胞の転移や糖尿病などに影響を及ぼす可能性があるといいます。
――なぜ口内の菌が全身に影響を及ぼすのですか?
日本大学歯学部 落合邦康名誉教授:
菌が血液の中に入る、菌が組織の中に入ると炎症を起こします。針を刺すと赤く腫れて痛い、それと同じことを菌が起こします。炎症を起こしている細胞は炎症物質をたくさん出しますので、それが血液の中に入って全身に回ると、各組織で炎症と同じことが起きてしまうと。
あなたの口内大丈夫?注意すべき人の特徴
口内が正常に保たれている知るために、以下の危険度チェックポイントがあります。
一つでも当てはまると注意が必要です。
・歯磨きをすると出血する
・歯茎が腫れる
・急に口が臭くなった
・口がよく乾燥する
――特に注意が必要な人は?
日本大学歯学部 落合邦康名誉教授:
基本的には感染症はいつも同じで、高齢の方が発症しやすい、重症になると。高齢の方、中高年の方は免疫が下がりますので、特にそういう方は要注意です。
口内フローラが乱れる原因としては、ストレスや喫煙、砂糖の過剰摂取や口腔ケア不足などがあげられます。
日本大学歯学部 落合邦康名誉教授:
歯周病菌というのは、血液が好きなんです。ですから、血液が出ているところでは発育する条件が整って、だから出血していれば菌はどんどん増えます。
――歯科などでの定期的なチェックが必要?
これはぜひ。普通に歯磨きなどをしても限度がありますので、やはりプロに磨いていただく、口腔ケアをしていただくのはとても重要なことです。
口内フローラの改善方法
では、口内フローラを改善するにはどうすれば良いのでしょうか?
落合氏によると、悪玉菌は、空気が苦手なのでどんどん歯の隙間へ移動するため、歯ブラシだけではなく、「デンタルフロス(糸)」と「歯間ブラシ」などを使って歯の隙間をきれいにすると効果があるといいます。
また、「緑茶」の成分で口内フローラを正常に保つことができます。
緑茶は「歯周病菌」を抑え、「善玉菌」の繁殖を抑えないという性質を持っているため、緑茶を口に含んで最低3回ほどゆすぐといいといいます。
寝る前・歯磨きをした後・朝起きたらすぐに行ってください。
日本大学歯学部 落合邦康名誉教授:
夜寝ている間は唾液の分泌量が減りますので、朝起きたときが口腔の中の細菌が一番多いんです。そのまま食事をされると、消化器官に入ってしまうので、食事の前に少なくとも水道の水でゆすいでいただく、ペーストをつけるとそれだけで気持ちよくなってしまうので、何も着けずに磨いていただいても結構です。
一番いいのは、食事の後に磨く、それができなければ、通勤中にガムをかむのもいいと思います。
緑茶にはポリフェノールという抗菌物質が入っていますので、それですすぐのがいいと思います。のみ込まずに、ゆすいだら外に出していただいて。
――口内フローラのバランスを保つためには「唾液」が重要だと?
日本大学歯学部 落合邦康名誉教授:
唾液の作用はとても重要で、皆さん唾液は菌を殺すくらいとても強い力があるとお考えの方も多いと思うのですが、それほど強くないんです。ただ、幅広い菌に効きますので、制菌作用といって増殖するのを抑える程度。
あともう一つは、洗い流し作業がとても重要なので、唾液が出なくなると、口の中の細菌が増えます。特に閉経後の女性は、唾液腺が、唾液の分泌量が減りますので。
特に唾液の分泌は、口腔環境を維持するのに重要ですね。
そんな唾液の分泌を促すには、以下の方法があります。
・「あいうべ体操」
1.大きな口を開けて「あ」
2.次に口を横に伸ばして「い」
3.くちをすぼめ「う」
4.最後に舌をだして「べ」
・「唾液を促すツボ」
顎の下に舌下腺(ぜっかせん)と耳たぶの横にある耳下腺(じかせん)と呼ばれる部分が、唾液の分泌を促す“ツボ”といわれています。
この部分を、親指と人さし指でL字を作り、1日10回程度指圧してください。
(『めざまし8』 2025年1月29日放送より)
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