2025年1月20日、都内にあるスーパー「アキダイ」の卵売り場では、一度卵のパックを手に取るも、値段を見て購入をためらう人の姿がありました。
アキダイ 秋葉弘道 社長:
卵の値段は、また上がってきますね。今週から以前のエッグショックを超える、“さらにハードなエックショック”になるのではないかという心配がありますよね。
本来、卵は年始に値段が下がる傾向にありますが、今年は値下げ幅も低く、秋葉社長は、1kg当たりの“卵の価格”が過去最高の350円を記録した、2023年の“エッグショック”を超える可能性もあるのではと危惧しています。
卵の価格高騰の背景にあるのは、「鳥インフルエンザの発生急増」です。
2024年10月に感染が確認されてから発生数は横ばいだったものの、2025年の1月に入り急増。これまでに39件発生し、約693万羽が殺処分対象と、過去最多を記録した2023年に迫る勢いとなっています。
「めざまし8」は、今年に入り11例が確認された愛知県にある養鶏場の生産者から、感染リスクに配慮して、リモートで話を聞くことができました。
今回感染が確認された別の養鶏場から、約200mほどの距離にあるという「花井養鶏場」。
鳥インフルエンザの対策として、鶏舎の周辺などを入念に消毒しているといいますが…。
花井養鶏場 花井千治さん:
7万5000羽近く飼育しているわけなんですけども、いつ感染してもおかしくない状況下の中で、日々不安ながら、鶏舎に入るたびに、きょうも元気でおるかどうかっていうのを、ドキドキしながら鶏舎を回って過ごしております。
花井養鶏場 花井千治さん:
(ウイルスが入らないように)吸入口に不織布を貼って、消毒液の散布を常時するというような形。(鳥インフルが出た場合)鳥が殺されるっていうのは、大変心苦しいことだし、ニワトリが犠牲になっているっていうことが、やっぱりつらいですよね。
飼育数1位の千葉県で約218万羽殺処分
2025年に入り、感染が急増している「鳥インフルエンザ」。
全国1位の飼育数を誇る千葉県では、今シーズン8例の鳥インフルエンザが発生。殺処分対象は8例で計約218万羽、県内のニワトリ飼育数全体の約2割近くが処分されているといいます。
養鶏産業に詳しい元東京農業大学教授の信岡誠治氏は、千葉での感染拡大は今後全国的に大きな影響を及ぼすといいます。
養鶏産業に詳しい 信岡誠治氏:
これだけの、218万羽、2割近い殺処分ですから、流通に影響がでてきます。当然、価格も少し上がってくると。
――鳥から人への感染事例がほぼない中で、なぜ殺処分をしなくてはいけないのでしょうか?
いつ変異をして、ヒトヒト感染になる可能性もあるからということで、殺処分をやっています。
2023年には、Mサイズの卵1kgあたり過去最高の350円まで値上がりする“エッグショック”が起きましたが、信岡氏によると、現在250円前後の卵の値段は今後さらに上がり、5月頃までに300円を超える可能性が出てきているといいます。
養鶏産業に詳しい 信岡誠治氏:
(価格が元に戻ることは)年内はもうちょっと考えられない状態で、卵自体、ニワトリの数が減っているので、それにさらに大量の殺処分で供給が不足するとなると、当然状況はひっ迫しますので、年内はちょっと厳しいかと思います。
――雛の状態から卵を産む状態になるまでどのくらいかかる?
雛の状態から卵を産むまで、5カ月はかかります。
(鳥インフルが発生した養鶏場は)精神的ショックもありますが、一番ダメージとして大きいのは、販路が他の業者に取られて、すぐ販路が再開できないと。もう一年近く販路が他の業者に回りますから。ですから、販路開拓には相当な努力が必要になります。
今後も拡大…対策難しく
今後、鳥インフルエンザはどうなっていくのか。
鹿児島大学・共同獣医学部の小澤真教授によると、収束はせず増え続ける可能性があるといいます。その要因として、ウイルスが変異していており、感染力が強くなっていること、また、感染から発症・死ぬまで期間が長くなっていることで、ウイルスを多く排出するので、今後も広がっていくという見解です。
――鳥インフルエンザのワクチンは、なぜ国内で許可されていないのですか?
養鶏産業に詳しい 信岡誠治氏:
変異して人に感染するリスクが完全には払拭できないということが背景にあります。(ワクチンで)発症は防げるのですが、感染は防げません。
サヘル・ローズ氏:
家庭では消費を節約したりとか、作る料理で工夫できたとしても、飲食店にとっては必要なわけじゃないですか。だから、飲食店にとっても本当に厳しい状態が続きますよね。
MC谷原章介:
飲食店は大体卵いっぱい使ったりしますものね。今年中はなかなか値段は下がらないということですが、なんとかワクチンだけでなく、対策でより鳥インフルエンザが起きないようにはできないものでしょうか?
養鶏産業に詳しい 信岡誠治氏:
今考えられるありとあらゆること、フィルターを付けたり、細霧装置をつけて消毒薬を散布したりやっていますが、それでも防ぎきれません。まだ、決め手に欠ける状態です。
MC谷原章介:
安くて、しかも生で食べることができる卵を、僕たちが食べられているというのは、本当に養鶏場の皆さんの努力によるものだということですね。
(『めざまし8』 2025年1月21日放送より)
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