日本時間2024年10月7日、ドジャースとパドレスの地区シリーズ第2戦。
ドジャースの大谷翔平選手(30)とパドレスのダルビッシュ有投手(38)のプレーオフ初の直接対決に全世界のファンが注目しました。
この日のダルビッシュ投手が大谷選手に投じた15球。そこには大谷選手に対する巧みな投球術がありました。
「めざまし8」では元メジャーリーガー川﨑宗則選手に、この15球のスゴさについて話を聞きました。
堀池亮介アナウンサー:
さて、改めてダルビッシュ投資と大谷選手の対戦結果ですが…、
第1打席 ①カットボール ②カーブ ③スイーパー ④ストレート ⑤スライダー
第2打席 ①スプリット ②スプリット ③スイーパー ④スプリット
第3打席 ①カーブ ②スライダー ③カーブ ④スプリット ⑤カットボール ⑥カーブ
となります。球種を見てもダルビッシュ投手が投げたストレートというのは、第1打席の4球目のみということで、それ以外全ては緩急をつけた変化球でした。
試合後、ダルビッシュ投手は「一球一球の大谷君の反応を見ながら投げました」と大谷選手を封じる策だったと話したんですね。
MC谷原章介:
川﨑さんからご覧になってこの球種、この配球どうご覧になりますか?
元メジャーリーガー 川﨑宗則さん:
もう僕らもビックリしましたね。前に対戦した時と全くガラッと変えてきたんですね。なので、少しバッター側からしたら、ビックリする配球かなと思いましたね。「さすがダルビッシュ投手」だと思いました。
堀池亮介アナウンサー:
実は、球種以外にもダルビッシュ投手の戦略が見えた場面がありました。
大谷選手とダルビッシュ投手の対決、1打席目と2打席目を比べると、左足を上げ始めてから投げるまでの時間がわずかに長くなっています。
足を上げている時間を変えるなどの細かい工夫で完璧に抑える投球術なんですね。
MC谷原章介:
このタイミングの変え方ってどうなんですか?
元メジャーリーガー 川﨑宗則さん:
これをやるピッチャーはいるんですが、ここまで、しっかりとは。
大谷選手も対応したいんですけど、ちょっとしたズレがですね。同じ球種でも違う球種に見えてしまうんですね。なので、少し大谷選手も出されましたね。
「あっ、来ない。さっきの1打席は来たのに、次、これで来るはずが来ない。あ、まだ来ない。あ、来た」みたいな感じでなってしまうんですよ。
MC谷原章介:
あれ、足はずっと上げたまんまであまりにも投げないとボークになったりしないんですか?
元メジャーリーガー 川﨑宗則さん:
あまりにも長いと注意されることはありますけど、一応足を上げてしまえば、投球動作に入ったということで、カウントされないんですけども。でもあれを少しですか?もう0.5秒?
堀池亮介アナウンサー:
そうですね。1打席目は約3秒かかったのに対して、2打席目は約3.5秒と計ってみたら0.5秒長くなっていました。
MC谷原章介:
でもこれ、打つ方が打ちづらいのはもちろんわかるんですけど、投げる方は難しくないんですか?
元メジャーリーガー 川﨑宗則さん:
難しいと思います。投げる方ももちろん。
大谷選手だけじゃないんですよ、他のバッターとも対戦するわけですから。だから、負担はかなりかかると思うんですよね。でも、それでも、やっぱり大谷選手を抑えるためにダルビッシュ投手が考えた技ですよね。秘策です。
小室瑛莉子キャスター:
大谷対策は、バッチリやってきたということですね。
堀池亮介アナウンサー:
そして、見事、ダルビッシュ選手が大谷選手を抑えたわけなんですけれども、ダルビッシュ投手は第2戦で日本人投手として、このプレーオフの記録をいくつか更新したんですね。
ダルビッシュ投手はプレーオフ通算5勝目を挙げて、田中将大投手が持つ日本人最多記録タイということになりました。さらにプレーオフ先発勝利としては、自身の持つ記録を更新する38歳と51日という、日本人最年長記録も更新しています。
堀池亮介アナウンサー:
さらに大谷選手ですが、ここにも記録の期待がかかります。
2戦終了時点でのプレーオフでの成績ですが、大谷選手は1本塁打で盗塁はまだゼロということなんですけれども、日本人最多の本塁打は、2009年ヤンキースの松井秀喜さんが出した4本という、本塁打の記録があり、盗塁は2001年マリナーズ時代のイチローさんの3個という記録があります。
MC谷原章介:
まあ、そのためには全部勝ち上がって、最初ワールドシリーズまで行ってもらうしかないよね。
堀池亮介アナウンサー:
はい。試合数を増やしていくために勝ち続けるということになると思いますが、今後の日程も見ていきたいと思います。日本時間9日、10日はパドレスのホームで試合が行われます。
11日の移動日を挟んで最終戦までもつれ込むと、12日が5試合目ということになりますね。この最大5試合の中で先に3勝した方が、リーグ優勝決定シリーズに進むということになります。大谷選手はに加えて最終日までもつれ込むと、山本由伸選手の登板の可能性もあるということです。
MC谷原章介:
川﨑さん、5戦目までもつれたとしたら、ドジャースとパドレスどっちが有利ですか?
元メジャーリーガー 川﨑宗則さん:
もちろんパドレスは今強いです、正直。めちゃくちゃ強い。今多分一番勢いがあります。後半戦の勝率も1位でした。そのままプレーオフも、勢いのまま来てます。
実際、昨日の試合もすごかったんで、とりあえずこのアウェーで、ドジャースは1勝でもしたいですね。そしてホームに帰ってきたら、あとはもうダルビッシュ投手ともう1回勝負ですよね。その時にどうなるか。
山本投手も、初戦はまっすぐが走ってなくて、ちょっと思った通りの投球ができなかったんですけど、必ず修正します。修正できるんで! なので、次は絶対期待できます。僕は信じてます。
(『めざまし8』2024年10月8日放送より)