岐阜県岐南町の小島英雄前町長(74)が、職員への99のセクハラ行為などが認定され、5日に辞任しました。
認定された99のセクハラのうち、23が「頭をポンポンと触る」行為でした。
スキンシップとセクハラの境界線はどこにあるのか?
意識しないで行った行動が「実はセクハラ」になってしまわないために、専門家が詳しく解説します。
要注意!ハラスメントの“線引き”
今回、問題となった「頭をポンポンと触る」行為。
どのような点が「ハラスメント」にあたるのでしょうか?
日本ハラスメントリスク管理協会 金井絵理代表理事:
これはセクハラにあたります。
理由なく人の体に触れる行為はやめた方がいいと。女性から男性とか、男性から女性に限らず、気をつけた方がいいと思います。
頭をポンポンする行為は基本的には子どもに対して行う行為だと思いますので、成人に対して行うのはあまり一人前に見ていない現れとも受け止められるので、適切な接し方ではないと。
もちろん全てのケースが「ハラスメント」認定されるというわけではありません。
15歳~50代の女性100人に、「男性から頭をポンポンされた際に、『嫌と思わないケースは?』(複数回答)とアンケートしたところ…
・「職場の上司」…13人
・「泣いているとき」…37人
・「友人からいきなり」…38人
・「イケメンな男性から」…39人
・「恋人から」…85人
人によっては相手との関係値や、シチュエーションで印象が異なりました。
また、セクハラの線引きで気をつけなくていけないのは、ボディタッチだけではありません。
例えば、上司が髪の毛を切った部下に対して「髪切った?悲しいことでもあった?」と聞いたとします。何げない日常会話のように見えますが、金井氏はこれもハラスメントにあたるといいます。
日本ハラスメントリスク管理協会 金井絵理代表理事:
「髪切った?」と聞くこと自体は、事実を言っているだけなのでセクハラにはならないと思います。しかし、髪を切って悲しいことでもあったというのは、昔で言う「彼氏に振られたのか」というニュアンスも含まれるのではないかと受け取る方もいるので、そこまで踏み込んだ話をしない方がいいかなと。
例えば、「髪切った?前の方が良かったね」とか、外見の評価につながるようなことを加えるとセクハラになることもあります。
さらに、自分と相手の力関係を意識しなくてはいけない場面もあります。
先輩の男性が、後輩の女性に社内で「好きです」と告白するケースも、一歩間違えればセクハラになってしまうことも…。
日本ハラスメントリスク管理協会 金井絵理代表理事:
社内恋愛自体は自由なのですが、「前提」ですね、どのようなことが背景にあったかによると思います。
職場の中で関係性が悪くなりたくないから断っているとか、そもそも“好意”がないからお断りしているのに、告白を何度もしてくるとか、(男性の)顔を知らないのに一方的に知っていたから告白をされたとか。
あとは、パートナーがいるのに告白してきてどうしていいのか分からないような状態を、「告白ハラスメント」「コクハラ」という言い方をすることもあります。
このようなケースは若い方から相談を受けることがあります。上司や先輩にはっきり断れない、断りたいけど断れないみたいな。
――今後どのようなコミュニケーションを取っていくとより良くなるのでしょうか?
日本ハラスメントリスク管理協会 金井絵理代表理事:
やはりポイントとしては、性別で対応を変えないとか、取引先の相手に対してもできる応答なのかなど一度考えると、「失礼じゃないのかな?」と考えることができると思います。
あとは、人の外見。褒めているつもりでも、人の外見を評価するということは避けた方が良いと思います。
若い人や世代が違うとちょっとしゃべりづらいから、だんだん価値観が離れてセクハラになってしまう可能性もあるので、積極的に価値観が違う方や世代が違っても、話しかけてコミュニケーションを取ると、日頃の関係性も良くなってハラスメントも起きにくくなるかなと。
(『めざまし8』 2024年3月8日放送より)
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