作品の圧倒的吸引力と脳裏にこびりついて離れない独創的なナンバー
印象的だったのは、序盤、いわゆる“お坊ちゃん体質”だった“ジョジョ”が、ディオという宿敵に大切な存在を傷つけられたことで、強くならざるを得なかったなかで描かれる成長。
松下さんと有澤さんは同じ役柄ながら、それぞれのアプローチでつくり上げた“ジョジョ”像を熱演し、歴史ある劇場に主演俳優としての実績を刻み込みました。
一方、“ジョジョ”の宿敵・ディオに扮する宮野さんは、「宮野真守ここにあり」といった濃厚な芝居でディオを怪演。
“闇の帝王”感を全身から漂わせ、彼が一言セリフを発するたび、そして、一つ動作をみせるたび、嬉々として悪役を演じている姿に思わずニヤリとしてしまいます。
さらに、作品全体を通して感じたのは、作品がもつ圧倒的吸引力と、ともに帝国劇場初登板となった演出・振付の長谷川寧氏と脚本・歌詞の元吉庸泰氏らフレッシュな制作陣の確かな仕事ぶり。
そこにキャストの瑞々しさ、そして、今、ミュージカル界でもっとも勢いのある音楽家といっても過言ではないドーヴ・アチア氏(共同作曲:ロッド・ジャノワ氏)によるドラマチックなナンバーが加わり、傑作の誕生を確信させました。
ジョジョとディオの壮絶な生きざまを全身で浴びてほしい、そんな作品です。終演後はきっと数々の印象的なナンバーが脳裏にこびりついて離れないことでしょう。