約束の日。弥生は、夏目を路地裏の焼き鳥店へ連れていく。
弥生が焼き鳥とともに頼んだのは、豚の腸・シロ。弥生は、夏目の好物がシロだと紹介されたテレビの選挙特番を見ていたのだ。
弥生は、自分もシロが好きなのだと打ち明ける。幼い頃の弥生は、シロを味がなくなるまでかんで空腹を紛らわせていた。
夏目も幼い頃、母親が働くスーパーの前の焼き鳥店でシロを買ってもらい、長くかんでいたという思い出を語る。
弥生は、自分の生い立ちを明かす。弥生の母は夫から暴力を受け、弥生が物心ついた頃にはシェルターで暮らしていたという。
弥生はたびたびシェルターを抜け出して、空き缶拾いで250円を稼いでいた。しかし、弥生がホームレスに働かされていると通報されて騒ぎになり、弥生と母はシェルターにいられなくなってしまった。
行き場を失った弥生と母は、同じような境遇の人たちと畑のある一軒家で共同生活をすることに。“クリスタルハウス”と名付けられたその場所で、弥生たちは穏やかな日々を過ごす。しかし、弥生たちは立ち退かなければならなくなった。
弥生はここまで話して「嘘です」とはぐらかし、夏目に子ども時代のことを尋ねる。夏目は、母とともに死にかけたことを語る。
弥生(石原さとみ)は夏目(高橋一生)のつらい過去を聞いて涙する
夏目は母子家庭だった。あるとき、夏目の母が肺炎になって寝込んでしまった。
「人様に迷惑をかけてはいけない」と言われて育った夏目は誰にも頼れず、衰弱していく母親。金がなくて電話も電気もガスも止まり、夏目は水だけを飲んで過ごした。
母と寄り添って眠るしかなかった夏目がふと目を覚ましたとき、近所の家で作っているカレーライスの匂いが漂ってきた。世界には自分と母だけではなく、他の人もいる。そう気づいた夏目は家を出て、助けを求め、生きのびることができたという。
弥生は、夏目の思い出を泣きながら聞いていた。
一方、乾は、弥生の幼なじみ・ルイ(きょん)に片桐の話を語る。
20代の乾は片桐から、過酷な戦争体験を聞く。「敵も味方も殺した」と語る片桐。その後、乾は片桐の命を受けて、秘書として一郎のもとに送り込まれた。
当時、一郎と井川は激しい政争を繰り広げていた。
国自党総裁選で、“タカ派”の一郎は防衛力増強と構造改革を訴える。構造改革で国が抱える事業を民営化すれば、民間企業の競争でサービスが向上し国の赤字も減って経済を底上げできるという主張だった。
対する“ハト派”の井川は、平和外交と、半導体産業や電子技術による電子立国として強い経済力を維持して国を守ると訴える。
総裁選の裏では巨額の金が動き、金の力で勝った者が総裁となり総理の座に就く。この総裁選で勝ったのは、一郎だった。
一郎の資金源はCIAと噂されていたが、証拠は何もなかった。
