非常に強い勢力を維持しながら、今朝、8月29日午前8時頃に熊本県に上陸した、“過去最強クラス”の台風10号。

今後どのような進路をとるのか?関東への影響は…、天達武史 気象防災キャスターが解説します。

天達武史 気象防災キャスター:
依然として強い勢力、暴風域を伴った、過去最強レベルの台風として上陸しました。
通常ですと、ここまで北上すると少し弱まってくるのですが、この台風に関しては逆に勢力を強めながら上陸したということで、この後も動きが「ノロノロ」なんです。

自転車並みのスピードでこのあと北上していきますので、大雨や暴風、長い時間九州に影響を及ぼしそうです。きょうは竜巻などの突風にも警戒が必要です。

気象庁は、暴風・波浪に関しては甚大な災害が起こる恐れが高まっていると、鹿児島県に暴風・波浪特別警報を発表しています(29日、午前8時時点)。
昭和34年、5000人以上の被害を出した「伊勢湾台風」クラスに匹敵する台風ということで、満潮時に高潮の被害が出る可能性があります。
土砂災害警戒情報も広い範囲で出ていますので、崖の近くにはくれぐれも近づかないように、少しでも異変を感じたら頑丈な建物に避難をお願いします。

“ノロノロ” “迷走”…最新の進路・影響は?

天達武史 気象防災キャスター:
この後、夕方にかけてゆっくりと北上します。
時速15kmくらいで長崎もしくは熊本方面に進むとみられています。午後6時時点でも強い勢力となっているので、上陸しても勢力が弱まらない台風です。

30日も九州を縦断するような形なので、一日を通して九州は影響が出てしまう可能性があります。活発な雨雲がありますので、通過した後も大雨に警戒が必要ですし、宮崎の山沿いは30日にかけて600ミリくらいの雨が降る予想になっていますので、甚大な災害が起こる可能性があると。

31日になると、四国付近にやってきます。ただ、この先が変化してきており、予測が非常に難しいです。31日に関しては、予報がまだ定まっていないという状況です。

9月1日以降は、台風を動かしている高気圧がしりぞいてしまい、自分で動くことができない台風はウロウロと迷走してしまうため、もしかすると逆走したり、ふらふらと北へ上がってきてしまったり、停滞するような形になる可能性があります。
この時点で台風としては風が弱まっていますが、雨雲はそのまま残ります。

MC谷原章介:
速度自体、早くなるか遅くなるかもわからない?

天達武史 気象防災キャスター:
そうなんです。なので1日はどこに行くか迷走してしまうという状況です。
1日以降の進路も出てはいますが、予報円が大きく、北にある偏西風にうまく乗ってくればそのまま東に抜けていきますが、風に乗れず四国近辺でウロウロして南の海上をウロウロ2日にかけてもしてしまう可能性が出てきています。

MC谷原章介:
勢力が弱まっても、雨雲は残るからどこに迷走していようが、雨は全国的に降る可能性がある?

天達武史 気象防災キャスター:
そうなんです、間違いなく四国や九州は風も雨も両方なんですけど、近畿から東の関東にかけては、雨に気をつけなくてはいけない。台風の今後の進路が定まってくるのはおそらく、1日になります。

――交通機関の影響はいつまで?
東海道新幹線に関して言うと、1日頃には台風としてはかなり弱まっていると思われるのですが、ゲリラ雷雨が起こりやすいんです。28日もゲリラ雷雨で新幹線が一時的に止まりましたが、そのような状況が1日くらいまであると思います。

MC谷原章介:
これもう1週間近く影響を受けていませんか?こんなに長い台風はあまり覚えがないのですけれど。

天達武史 気象防災キャスター:
受けていますね。珍しい、かなり長寿な台風になってくると思います。とにかく高気圧がなくなる31日以降の迷走具合によって、だいぶ影響が変わってくると思います。


(『めざまし8』 2024年8月29日放送より)