──誠と明日香のキャラクターはどのように構築されましたか?
絶対的に男性側が偉そうにならないこと、家庭で主導権を握るのは女性であることは意識しました。
それを踏まえて、誠は説教くさくなく、愛のある男として、明日香はサバサバしていながらも芯に愛があるキャラクターとして描きました。
──実際に、佐藤さんと橋本さんが演じる姿を見て、いかがですか?
想像していた以上に魅力的なキャラクターに仕上げてくださっているなと感じています。
クランクイン前の本読みの時点で、5話くらいまで台本が出来上がっていたと思いますが、二朗さんはそのすべてのセリフを覚えていたんです。そのうえで、「矢島くんは、この『…』で俺にこういうこと求めてるの?」とディスカッションしながら、アイデアを出しながら演じてくださっていて。
僕自身も、二朗さんのセリフの読み方や声を聞いて脚本を書き直すということもありました。後半は、二朗さんのアイデアをいただいて書いた部分もありますね。
池田(中村海人)は「どう生かすべきか悩んでいた」クセ強な署員たちの制作秘話
──佐藤さんのアイデアは、どのシーンで採用されているのでしょうか?
会話のなかにある「ん?ん?ん?」と反応するのは、二朗さんのアイデアです。脚本にセリフとして起こしていなかったのですが、本読みの際に二朗さんがそのお芝居をされていて、僕も相談を受け、面白かったので採用させていただきました。
もう一つ、1話で結婚を署長の井伏幸吉(坂東彌十郎)に報告するシーンで、バレたら自分も処分されてしまうと本音を漏らす署長に対して誠が「署長、正直ぃ~」と言うんです。あの語尾を伸ばす感じも二朗さんのアイデアで、それ以降活かすようにしていました。
──橋本さんはいかがですか?
橋本さんは、台本に忠実に演じてくださっていると画面を通して感じます。もともと橋本さんには画面越しに伝わるパワーがありますし、目力も魅力もある方ですから、自分がイメージしていた明日香を軽々超えていて、本当にうれしいです。
──2人を含めて沼袋署の面々は濃いキャラクターが多いですが、個性をかき分けるうえで、バランスは難しくなかったですか?
いいバランスに仕上がっているのは、完全に監督のおかげです。実は僕、ドラマでここまでコメディ色の強い作品をやるのは初めてで。さまざまなアイデアを田中監督からいただき、勉強させていただきました。脚本会議はみんなで悩んで、爆笑して、本当に楽しかったです。
キャストの皆さんにも助けられています。彌十郎さんも署長を面白く膨らませてくださって。あんなキャラクターになるとは考えていませんでした。
(小寺園みちるを演じる)斉藤由貴さんも、6話の怪演がすごかった。(郡司綾を演じる)齊藤京子さんは、いろいろな作品を拝見していましたが、あそこまでコメディを巧みに演じられる方だとは思っていなかったので、驚きましたね。
──SNSを見ていると、中村海人さんが演じる池田絆への反響も大きいように感じます。
池田は最初、正直悩みました。25歳の若い刑事で、周りには濃いキャラクターがたくさんいるので、どう生かすのが正解なのかと。
でも、3話の中華レストランでの張り込みシーンで「振り切って書こう」と覚悟を決められました。そうしたらそれが見事にハマって、あのちょっと暴走気味のキャラクターが確立されましたね。
──矢島さんのなかで「もう少し深堀りして書きたかった」「実は一番好き」「書いていて楽しかった」というキャラクターはいますか?
今はもう書き終えているので、そういったことはありません。いちファンとして、皆さんがどう演じてくださっているのか、子どもと一緒に毎週の放送を楽しみにしています。
でも、好きなキャラクターを1人挙げるとしたら、矢本(悠馬)さんが演じている(上山)晋吾でしょうか。キャリア組を1人は入れたくて作ったのですが、見事に演じてくださっているなと感じています。
──第7話のラストで郡司やドナルド(LUKE)、小寺園が怪しげな表情を見せていましたが、今後どんな展開が待っているのでしょうか?
3人、すごく意味深でしたね(笑)。あのシーンは、この3人が怪しいかどうかは別として、「ここから展開が変わってくるよ」という監督の意図が込められているのかなと思います。脚本を書き始める前の秋元さんとの打ち合わせの段階から、1話~7話はコメディ、それ以降はサスペンスという構想でしたから。
ここからクライマックスです。本格的に視聴者の皆さんの考察が盛り上がっていくと思いますが、最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。
