発達した低気圧の影響で列島各地を襲った5月の嵐…メイストーム。
この影響か、各地で被害が広がりました。

中でも茨城県で相次いだのは、「潮干狩り中の水の事故」です。

妻からの通報 「潮干狩りに出かけた夫が帰宅しない」

5月1日茨城・大洗町で、潮干狩りに出かけた51歳の男性の行方がわからなくなっていて、捜索が続けられています。

その翌日、茨城・東海村の豊岡海岸では、男性4人のグループが潮干狩りをしていたところ、3人が海に流されました。そのうち27歳の男性が死亡。36歳の男性が今も行方不明になっています。

いずれの現場も、当時、波浪注意報が発表されていました。

今回の事故について、現場を検証した水難学会の斎藤秀俊理事は…。

水難学会 斎藤秀俊理事:
ここのところ相次いだ水難事故は、メイストームの影響を多分に受けている
急に波が高くなる、その波が押し寄せてくる。

積乱雲が急速に発達する「メイストーム」。台風並みの暴風になることもあるといいます。

そして、茨城県での相次ぐ潮干狩り中の水難事故を引き起こした可能性があると考えられているのが…

水難学会 斎藤秀俊理事:
例えば水の深さが、足のくるぶしぐらいだったとします。これは普通なら流されませんが、足の下の砂が流れていますから、そのまま砂と一緒に、例えば秒速10mぐらいの速さで海の方に持っていかれる…「戻り流れ」っていう現象があるんです。

「戻り流れ」とは砂浜から海への傾斜が急なところに高い波が来ると、

沖に戻るときに速度が増すこと。

潮干狩り中に起きる可能性がある「戻り流れ」。巻き込まれてしまったら、どう対処すればよいのでしょうか?
さらに、この時期の水のレジャーで楽しく安全に遊ぶために知っておきたいことを斎藤理事に解説していただきました。

潮干狩りで注意!「戻り流れ」

海と川で注意すべきポイント、まずは海です。
斎藤理事によると、「戻り流れ」が起きやすい場所の見分け方は2つポイントがあるといいます。

・砂浜がうねっている
・砂浜の傾斜が急

水難学会 斎藤秀俊理事:
高い波が来ますと、それが砂浜に上がってから、低いところありますよね、そこに海水が集中して、一気にまた下り落ちるわけです。これがものすごい威力のある流れになって、こういうのを我々は「戻り流れ」と呼んでいます。

堀池亮介フジテレビアナウンサー:
砂によって起こりやすい場所とかはあるんですか?

水難学会 斎藤秀俊理事:
あります。特徴があって、少し粗めの砂だと、うねったような地形が現れやすくて、そういうところに荒い波が入ってくると「戻り流れ」が起こりやすいということになります。

堀池アナ:
潮干狩りが行われる干潟と呼ばれるような場所でも「戻り流れ」が起きる可能性はあるのでしょうか?

水難学会 斎藤秀俊理事:
かなり海が荒れているときは、干潟を越えてさらに陸地の方に近づく波が来るんですね。そうすると、陸地の方はむしろ、こういううねりの地形を持っていることが多いものですから、潮干狩りが安全にできるといっても、波の高いときは同じように注意しないといけないです。

では、もし、「戻り流れ」に巻き込まれてしまった場合、どのように対処すればいいのでしょうか。

水難学会 斎藤秀俊理事:
まず大の字になって背浮きという方法で呼吸を確保します。鼻と口は水面から出した状態で全身の力を抜きます。一番重要なのが、服や履いている靴は脱がないこと。服の間にはたくさん空気がたまってますから、じっとしていると浮力で浮いていられるんです。

堀池アナ:
大の字で浮いている人を見かけたらどう対応すればいいのでしょうか?

水難学会 斎藤秀俊理事:
まず飛び込まないで、119番通報等していただいて救助隊を呼ぶ。周りに空のペットボトルだとか、開いてない菓子袋などがあったら投げ渡すというところがポイントです。

川遊びで注意!「お・す・な・ふかい・ぞ」

次に川での注意ポイントです。

お:「落ちる」…水中への転落
す:「滑る」…川底のコケで転倒
な:「流される」…流れの速さに注意
ふかい:「深い」…水深が深い場所も
ぞ:「増水」…大雨で水量が一変

MC 設楽統:
僕も小さい頃から荒川の近くで育ったので、夏とかは友達と川に遊びに行ったりしてたんですけど、川は本当に危なくて。本当に、基本は滑りますから。ツルツルだから普通の動きはできないし。意外と馴れてると思っても深いところ入っちゃったりすると焦るし、急に深くなってるところと水温も違ったりして、川の事故は気をつけないと。

川に潜む具体的な4つの危険があります。

①水の屈折で実際よりも川が浅く見える。きれいな川だとより起きやすい。
②“アリ地獄”のような水中の砂利の斜面
③循環流に巻き込まれ本流へ
④増水で川底がえぐられ深くなる

MC 設楽統:
浮輪みたいなの付けてても、そっち(の流れ)に乗っちゃうと速くいっちゃうから、大人が見ていても追いつけないですよね。川の流れって同じように見えても全然違ったりしますから。数mで違ってきますよね。

堀池アナ:
循環流はどういった場所で起きやすいんですか?

水難学会 斎藤秀俊理事:
川岸の方から本流に向かう流れもあります。これが一番怖いんですよ。川岸で遊んでいたらあっという間に持っていかれて、深くなってますからそのまま溺れてしまう。これよくある事故なんです。

また、川では今の時期ならではの注意すべき点があるといいます。

水難学会 斎藤秀俊理事:
今の時期、川の水温はまだ低いですよね。ところが、気温は高いじゃないですか。この気温差で思いっきり川に飛び込んでしまって、例えば過呼吸を起こすとか、体が動きづらくなるということが起こって、これも溺れる原因につながります。

川遊びする際の備え&心得
①川に入りたい場合は、ひざ下の水位までに
②ライフジャケット・マリンシューズの着用
③大人と子どもが一緒の場合は、大人が下流側に立つ
④海で流されたときと同様に、浮いて待つ

(『ノンストップ!』2026年5月5日放送より)