12月23日、日本時間 午前2時過ぎ、村上宗隆選手(25)がアメリカ・シカゴで行われたメジャーリーグ・ホワイトソックスの入団会見に臨みました。
村上宗隆選手:
(英語で)ハロー。ムネタカ・ムラカミです。ホワイトソックスファンのみなさんは私の心の中にいます。
(白い靴下を掲げて)ホワイトソックス(笑)。
冒頭は英語でユーモアも交え、意気込みを語った村上選手。
村上宗隆選手といえば、2022年。
22歳にして王貞治さんの持つ日本人選手シーズン最多ホームラン記録55を58年ぶりに更新。
ところが、翌シーズン極度の不調に陥ったり、今シーズンもけがにより開幕から長期の離脱を余儀なくされるなど、ここまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
しかし今年8月、1軍に復帰するとホームランを量産。ついにメジャーリーグ入りを果たしたのです。
Q.ホワイトソックス入団の決め手?
僕にすごく合っているなと思いましたし、何よりこれからのチームだと思うので、これからのチームの一員になることが僕はすごく好きなので、それが決め手でした。
Q.短い契約に驚いた?
僕が勝負するにあたって、短くても長くてもしっかり野球と向き合って成長することを目標に来ようと思っていたので、そこに驚きはなかったですし、まだまだ僕の人生は続くので、しっかりここでスタートして頑張っていきたいなという思いです。
実はホワイトソックスは今季リーグワーストの102敗(60勝)を喫するなど低迷の真っただ中。また村上選手の契約は異例の2年契約です。
なぜ低迷するチームを選んだのか、また短期契約なのか、『サン!シャイン』のスタジオで“ムネリン”こと元メジャーリーガーの川﨑宗則氏とMLBジャーナリストのAKI猪瀬氏が解説しました。
低迷するホワイトソックス…でも「毎日試合に出られる」
酒主義久アナウンサー:
村上選手が来シーズン所属をするシカゴホワイトソックスは、ア・リーグ中地区に所属をしているチームです。
球団創設は1901年でワールドシリーズチャンピオンには3回、リーグ優勝も6回。ただ、2005年が最後のワールドチャンピオンで井口資仁選手が所属していた時、そこからなかなか勝っていない。ここ最近低迷をしていて3年連続で100敗を超えている。さらに去年は121敗というメジャーリーグのワースト記録を更新してしまったチームではあるんです。
村上選手にとってこのホワイトソックスに移籍したメリットって何でしょうか。
MLBジャーナリスト AKI猪瀬氏:
(ホワイトソックスが)来年即地区優勝争いができるかって言ったら、これは再建中のチームなので、「目先の一勝よりも数年後を目指す」というチーム。例えば来年村上選手が極度のスランプに陥ってしまった場合、地区優勝争っているような強いチームだとスタメンを外されてしまう可能性があるんですが、ホワイトソックスはそういう状況にありませんので、村上選手が打っても打たなくてもほぼ毎日のように試合に出れる環境にあるので、そこは非常に村上選手にとってはいい環境だと思います。
メジャーリーグにどうやってアジャストしていくか、その時間がもらえるチャンスがたくさんあるということですね。
契約を見ると「マイナーに降格はできません」と。だから打てなくてもマイナーに行ってくださいってことはないので、ずっとメジャーでフィールドに立ち続けることができるっていうのは大きいメリットだと思います。
短い?異例?2年契約の意味は
酒主義久アナウンサー:
非常に大きい「本人の同意なしにマイナーリーグに降格をさせない」という内容が入っていて、さらに2年の契約終了時にはフリーエージェントになるという契約です。
2年契約で総額が3400万ドル(約53億3800万円)。さらに成績に応じて、MVPを取るとプラス100万ドル、MVPのランキングでも2位3位だと50万ドル、4位から10位でも25万ドル、さらには新人王だと25万ドルプラスされるという内容も含まれています。
2年の契約それにしてもちょっと短いかなと思ったんですけど。
AKI猪瀬氏:
この契約の意味するところなんですけど、こういう感じですね。
「木を見て森を見ず」
まず長期大型契約っていう理想があったんですけど、ここに固執してしまうとおそらく足元を見られるような契約になっていたと思います。
だったら俯瞰的に見た時に、まだ25歳の村上選手なのでこれからのメジャー人生って10年以上長く続くんですね。なので「2年間メジャーリーグで通用するよ」っていうのを十分に証明できれば、もう一度FAになって今度は大きな契約をもう一度取りに行ける。その時は多分長期になっています。
2年ですけど、最短だと2027年の夏のトレードでホワイトソックスから勝てる球団にトレードされて、そこで結果を残してFAになると、27歳で大きな契約を手にできる。
元メジャーリーガー 川﨑宗則氏:
僕はですね、村上選手の2年契約っていうのは逆にこれがいいと思います。
村上選手は1年1年しっかりと日本で結果を出してきた選手なので、大型契約っていうのは違和感が逆にあると思うんです。
なので2年契約でも十分。結果を出して、そして正々堂々とアメリカの文化とかそういうのを慣れた上で大型契約を取れると思っています。
酒主義久アナウンサー:
ズバリ川﨑さんこのホワイトソックスの本拠地、そしてチーム状況すべて含めて、ホームラン量産はズバリできそうですか。
川﨑宗則氏:
レイトフィールドは実は「ホームランが出やすい球場」と言われています。
しかもですね、チームとしてはなかなか勝てない状況が多いので、結構ピッチャーどんどんストライクゾーンに攻めてくると思うんですよ。
そこで村上選手が(持ち味を)見せてくれればですね、レフト・センター・ライト全方向に打てますんで。ホームランは期待できます。
海を渡る村上選手。
メジャーリーグでのホームランに期待です。
(『サン!シャイン』2025年12月23日放送より)
