──それぞれが演じる関家となずなの役柄について聞かせてください。

長野:関家は、消防と救急・救助の現場を経て司令課に来ているのですが、現場での経験から、“今、必要な情報を的確に伝えること、聞き出すこと”に重きを置いている役。

はたから見ると「そんな対応って…」と思われるくらいクールというか、冷静に見えると思います。でも、経験値がある分、自信を持っていて、「そうすることが正しい」という考えのもと電話を受けている印象ですね。

莉子:私が演じるなずなは、とにかく自信がないイマドキの子。監督も話していましたが、今の若い子たちは電話を取ることに慣れていないんですよね。まさにそれがなずなには表れていて。

あとは、「すいません」が口癖になっていたり、司令課に来てから数ヵ月経っても周りの顔色をうかがいながら電話に出たり、そういうクセが抜けない子だなと感じています。

──共感するところもありますか?

莉子:常に周りの顔色をうかがったり、どこかで「誰かがやってくれないかな」と思ってしまったりするところには、共感できますね。

莉子が感じた『119』の現場の印象は?「温かく迎えれてくださって心強かった」

──莉子さんはすでに撮影中とのことですが、現場の雰囲気はいかがですか?

莉子:まだ見上さん、前原(滉)さん、中村(ゆり)さんとしかお会いできていないのですが、皆さんの仲の良さが伝わってきました。スタッフさんも前作の方が集まっているそうで、温かく迎え入れてくださいましたし、チーム感があって心強かったです。

──共演者の皆さんとはどんな話をしましたか?

莉子:他愛もない会話といいますか、MBTIの話をしました(笑)。本番直前までおしゃべりしてくださって、楽しい現場だなと感じています。前作のときは、皆さんでゲームをしていたという話も聞いているので、このあとの撮影もすごく楽しみです。

──長野さんは現場で楽しみにしていることはありますか?

長野:僕は皆さん初共演なので、お会いするのが楽しみですね。連続ドラマですでに何ヵ月も現場を共にしている皆さんなので、チーム感は絶対に出来上がっていると思いますし、そこに入っていくことにプレッシャーのようなものは感じています。

でも今、莉子さんから「温かく迎え入れてくださった」と聞けたので、安心しました(笑)。

──横浜消防の見学や台本を読んで、司令課の仕事について知り、驚いたことなどはありますか?

長野:見学の際、案内してくださった方に「119番かけたことありますか?」と聞かれたのですが、僕は幸いそういう場面に出会ったことがなくて。このまま一生かけない可能性もあるなと思ったのですが、実際には多くの通報があると聞きました。

その通報のなかには、パニック状態で電話をかけてくる方もいらっしゃるそうで、そこに引っ張られないように冷静でいる必要があるとも聞いて。確かに、電話を受ける側が混乱していたら、電話をかけた人はもっとどうしたらいかわからなくなるな、と。

本当にさまざまな通報があると思いますし、冷静でい続けるのは精神的にも大変なお仕事だなということは感じました。

莉子:司令課のお仕事は、声と声のコミュニケーションなので、119番に電話をかけた側も、受け取る指令管制員も「どうしたら伝えたいことがうまく伝わるのか」ということを考えないといけないんだと知りました。お互いの歩み寄りの大切さもこのドラマで伝えられたらと思っています。

──今作の注目ポイントを聞かせてください。

長野:関家個人のことで言うと、基本的にはブレないのですが、雪(清野菜名)と一緒に仕事をすることで変わっていくところですね。

あとは、莉子さんもおっしゃったように、119番に電話をかける側も、受ける側も、お互いが“伝え方”を意識することで、迅速に対応ができる。そこを知るのは大事だと思うので、このSPドラマを通じて皆さんにお伝えできたらいいなと思っています。

莉子:前作の良さもありながら、今作では一人ひとりの悩みや葛藤、成長が描かれています。なずなの成長も感じていただけたらうれしいですね。

今回、なずなは前原さんが演じる箕輪さんに指導をしていただくことが多くあります。箕輪さんに助けられるなずなの気持ちは、既存の作品に入る私自身の気持ちと重なる部分もあって。リアルな感情で演じられたらいいなと思っています。

──最後に、放送を楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

長野:年末年始には119番通報が増えると聞きます。その時期に放送する『119』に参加させていただけることがすごく光栄です。ドキュメントのように展開していくドラマになっていますので、皆さんにもいろいろと想像を膨らませながら見ていただけたらうれしいです。

莉子:お正月の放送ということで、ご家族や大切な方と一緒に、まずは気軽に見てください。そして、「今後もし119番にかけることがあったら、こうしたい」ということを考えていただいたり、今この瞬間も指令管制員の皆さんは誰かの命をつなぎとめるために動いていると知っていただけたらうれしいです。

私自身も、そういったリスペクトにつなげられるように、一生懸命なずなを演じさせていただきますのでよろしくお願いします。