その頃、黒木と三上を乗せた「竜水丸」の操舵室にいる大沢のもとに、1本の無線が入る。無線の声の主は礼子。応答したのが大沢だと気づいた礼子は、大沢の教えと自らの経験を元に割り出した場所に停泊中の竜水丸へと舵を切った。
船内で三上を痛めつけていた黒木から水上警察を船内に立ち入らせないよう命じられた大沢は、船に乗り込んできた碇たちと対峙。覚悟を決めた様子の大沢に、碇は玉虫からの伝言を伝える。
「海の秩序を保つことは、世界の平和を守ることだ」という大沢の教えが、今でも自分の指針だという玉虫のメッセージに、心が動く大沢。礼子はそんな大沢に、船舶安全法違反のため船内に立ち入ると告げた。
黒木(柿澤勇人)と銃撃戦になった碇(佐藤隆太)は、黒木から銃口を向けられ…
大沢が碇たちを止められなかったと知った黒木は、碇、日下部、礼子の殺害を決意。追ってきた3人に向かって発砲したことで、銃撃戦に。そんななか、負傷した黒木に対して碇は、カタギに戻るよう語りかける。
拘置所で生まれ、父を知らずに育った自分にとってカタギは“戻る場所”ではない、自分はこの生き方しか知らないと主張する黒木に、臆病者、卑怯者と言い放つ碇。黒木は碇の言葉を受け止めつつもデッキへと向かい、三上に銃を突きつけた。
三上を守るために銃を置いた碇に、銃口を向ける黒木。そこに銃声が鳴り響く。大沢が黒木に向かって発砲したのだ。
警備艇の巡回時間や監視カメラの位置といった海技職員時代の知識を駆使して黒木の仕事をサポートしてきた大沢は、いつしか黒木と親子のような絆で結ばれつつあったのだが…。
「海の主は海だ」と語る大沢を前に自暴自棄になった黒木は、三上を道連れに海に落下。そんな2人を追って海に飛び込んだ大沢は、三上に救命胴衣を着せると、「任せたよ」と礼子を見つめて海へと沈んでいった。
一命を取りとめ、謝罪する三上を励ます日下部。礼子は大沢の捜索を続けようとするが、無線も繋がらない危機的な状況を前に帰港を決める。
そんななか、碇たちの乗った警備艇が、台風の影響でレーダーから消えた。玉虫たちは無事を祈り…。
警備艇を必死に操縦する礼子は、燃料が異常な速度で減っていることに気づく。船から落下する直前に黒木が発砲した銃弾が、警備艇の燃料タンクに着弾していたのだ。
