菅田将暉「面白くなかったら、自分たちのせい」
三谷:僕は、逆にドキドキするんですよ。僕の書いているものの、完璧でない部分は僕が一番よくわかってるから「また、こんなつまらない本を書いてきやがって」って思ってるんじゃないかとか。
神木:えー、意外。
三谷:「このセリフ面白くない」とか「このシーンは矛盾があるぞ」みたいなことを、みんな思ってるんじゃないかと思うと、もう現場に行くのが怖くてしょうがないですよ。
菅田:そんなこと、(現場の人たちは)思わないんじゃないですかね。たぶん、面白くなかったら、自分らのせいというか。
神木:うん、そうだね。
菅田:「俺らの解釈が足りていなかったり、面白くできていなかったんだな」と、とらえる人が多いと思いますけどね。
それでも、三谷さんが「でも、面白くないと感じる脚本も、なくはないのでは?」と追及すると…。
菅田:まぁ、設計図として、ここどうすればいいだろう…みたいな(脚本は)、迷って相談することはありますけど。
三谷:そういうときは、どうするの?
菅田:そういうときは、監督とプロデューサー陣と徹底的に話しますね。これは、いい言い方かわからないですけど…その瞬間、面白いと思えないこともあるんですけど、監督だったり、プロデューサーさんのやりたいことを、とりあえずやる、というのが仕事かなと思ってやります。
三谷:ああ、そうなんだ。
菅田:で、それこそ…(神木さんに)自分でやっていて気づかない面白さとか、ね。
神木:うん、うん。
菅田:画になったときに、すごく思うから。逆に、自分が「これが面白いんだ」と思ってやっても、大したことないなってこともたくさんある。
この流れで菅田さんは、神木さんに「芸歴30年は、どうなの?」と尋ねました。
神木:芸歴30年(笑)。
三谷:すごいよね。
神木:やっていて、結局は自分が「ああ、今楽しい!」って思える結果になっていればいいのかなって。演じていて、心が跳ねるというか。
菅田:ああ、ドライブしていくとき、あるよね。
神木:本番中にそういうふうになって、OKが出たら(あとから)「これは、どうなんだろう」「どうしたほうがいいんだろう」っていうのがなくなるのかな、と思いながら。
芸歴30年を迎えた神木さんの言葉に、三谷さんはだまって聞き入り、菅田さんは「なるほどなぁ」と感心しました。
『ボクらの時代』2025年12月7日放送より
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